日本の変化は、急速に起こる
私は、「日本は世界一素晴らしい国」と確信しています。しかし、一点だけ問題があるとすれば、「労働環境が、相当ひどいこと」でしょう。中でも「長時間労働」の問題は深刻です。これ、おそらく読者の皆さんも実感されているでしょうから、証拠を示すまでもないでしょう。高橋さんの話を聞いて、「嗚呼、私も死にたくなることがある…」と同情した人は多いはずです。
私の知人・友人は、日本時間夜11時~12時頃、モスクワに電話してきます。「まだ、職場なんだけど…」。
また、外国人で日本人男性と結婚した女性が決まって言うのは、「仕事が忙しくて、夫がほとんど家にいない。何のために結婚したのかわからない」。
「長時間労働」は、日本国に大きな被害を与えています。まず、国民の「健康」に打撃を与える。「体の健康」はもちろん、「心の健康」にも。「過労自殺」は、長時間労働が心と体に打撃を与えているということですね。
そして、「未婚」の問題があります。朝から晩まで働いていたら、彼氏彼女を見つける時間がないでしょう? 見つけても、忙しくてデートできなければ、結婚にいたらない。結婚しても、長時間労働で、子作りの時間もパワーも残っていない。子供が生まれても、長時間労働で、しばしば男性が子育てに関われない。結果、奥さんの負担が大きくなりすぎる。夫婦が産休をほとんどとらず朝から晩まで働いている場合は、子供が保育園に預けっぱなしになる。
などなど、いいことがありません。ようやく行政も気がつき、変化の兆しがみられるようになりました。「クールビズ」をひろげた小池都知事が、熱心に取り組んでいます。安倍総理も、その流れに乗って、これからマジメに取り組んでいくことでしょう。
「明治維新」「第2次大戦後」、日本は「アッ」という間に変わりました。「長時間労働是正」についても、変化に必要な「雰囲気」は醸成されています。10年後、日本は「残業のない国」になっているかもしれません。
日本は、変わるまでに時間がかかりますが、動き出したらものすごいスピードで変わります。
image by: 首相官邸