稀有な国民性。なぜキューバには人種差別が存在しないのか?

shutterstock_331689368
 

日本人にはまだまだ馴染みの薄い国、キューバ。その知られざる内情を紹介してくれるのは、メルマガ『NEW YORK 摩天楼便り-マンハッタンの最前線から-by 高橋克明』の著者で、米国の邦字紙「WEEKLY Biz」CEO 兼発行人の高橋さん。前回のメルマガでは、正月旅行で一週間ほどキューバ国内に滞在した際の到着までの話をお送りいたしましたが、今回はその後編。食事やショッピング、ネット事情、日本との知られざる関係など、現地に行かないと知りえない、社会主義国・キューバの魅力を余すことなく紹介しています。

キューバ紀行 —後編—

キューバ紀行 前編はコチラから。なぜキューバの市街地はビンテージカーばかり走っているのか?

一夜明け、そこから一週間。 腕時計も外し、ネットもつながらない環境で、ゆっくり過ごしました。

なにもしない贅沢が、意外にも退屈しなかったのは、年齢のせいか(笑)。

往復10階分の階段を上り下りするのも億劫なので、昼過ぎにゆっくり部屋を出て、旧市街を歩き、適当なところで食事する。 歩き疲れたらカフェに入り、持参した本を読み(結果4冊の小説をこの旅で読了)お土産屋を物色しながら、夜ご飯まで時間を潰す。

ニューヨークではひっきりなしにかかってくる電話もLINEもテキストメールもここでは一切受け付けない。

夜ご飯はなぜか一週間毎晩同じレストランに通いました。 旅先で同じレストランに入るなんて、そんなもったいないこと若い頃は一切選択肢にありませんでした。 数年前のモントリオール旅行のときから、ディナーだけは気に入ったレストランで食事する習慣がついちゃいました。

3日目あたりから、前日のテーブルに案内してもらえるようになったり、顔見知りのウエイターにサービスしてもらえたり、それはそれでいいんじゃないかと思えるようになりました。 観光名所(や人生)ならともかく、食事でアグレッシブルな冒険をしたいとは思わない。 お酒を飲めない僕は見たことのない銘柄のコーラと、チキンオーバーライスで十分でした。

ちなみに、旅に出ると必ず未読の小説を持参します。 自宅の本棚には、まだ読めていない小説が数十冊。 いつか読もう読もうと思いつつ、日々に追われ、まとまった時間がない中、それらを読了するのに旅はもってこいです。

非日常の空間の中、フィクションの世界に没頭できるのは、なによりの贅沢。 最近では、ひょっとしたら、小説を読む為に旅に出るのかな、と思うほどです。

NYを離れて、現実を離れて、まったくの異空間に自分の身を投じるのは小説が一番です。

で、その数十冊の中のセレクトですが、昔はヨーロッパに行くなら、ヨーロッパの作者、もしくは舞台がヨーロッパの小説、アジアに行くなら、アジアの作者、もしくは舞台がアジア、日本に出張するなら、日本の作者、もしくは日本が舞台、というようにヘンなこだわりがありましたが、最近はまったくありません。 むしろ、全然違う国の作者、舞台でも問題ないし、それの方がグローバルな感じで楽しめます。 キューバにいるのに、舞台が古代中国の話であったり、日本の経済小説であったり、するのも、また面白かったりします。

ちなみに今回、常夏のハバナで読了したのは

「西遊記」平岩弓枝著(文春文庫)

「虚像の砦」真山仁著 (講談社文庫)

「悲しみのイレーヌ」ピエール・ルメートル著(文春文庫)

「ロスト・シティ・Z 」デビット・グラン著(NHK出版)

全然、カリブと関係ない4冊です(笑)。すべてそれなりに楽しめ、すべて“生涯の1冊”にはなりえませんでした。

print
いま読まれてます

  • 稀有な国民性。なぜキューバには人種差別が存在しないのか?
    この記事が気に入ったら
    いいね!しよう
    MAG2 NEWSの最新情報をお届け