温泉の「タトゥーお断り」問題で逆に浮き彫りになった日本人差別

 

さらに、昨年3月16日に、「入れ墨(タトゥー)がある外国人旅行客の入浴に関する対応について」という報道発表を行っている。

HPでは具体的な取り組みとして、以下のように書かれている。

【観光庁より入浴施設への働きかけ】

具体的な対応方法を例示として整理し、業界団体等を通じ各地の入浴施設に周知します。 これらを参考としていただき、今後それぞれの施設における対応改善を促します。

<対応事例>

[1]シール等で入れ墨部分を覆うなど、一定の対応を求める方法 [2]入浴する時間帯を工夫する方法 [3]貸切風呂等を案内する方法

(詳細資料「入れ墨(タトゥー)がある外国人旅行者の入浴に際し留意すべきポイントと対応事例」もリンクされている)

【観光庁より外国人旅行社への働きかけ】

JNTOや各旅行会社のHP、パンフレット等様々なチャンネルを通じて、以下の情報提供をしていきます。

  • 我が国においては、入れ墨に対する独特なイメージがあること
  • 入れ墨をしている場合は、一定の対応を求められる場合があること

その上で、今年3月16日には田村観光庁長官が会見で次のように語っている。

(観光庁HPより転載)

  • 予て、外国人の旅行者の中で、個人の趣味や宗教上の習慣で入れ墨をされている方が多数おり、これに対する対応が課題になってきたが、アンケート結果については既にご報告し、追加調査を実施してきた。 その結果を踏まえ、観光庁としての対応をとりまとめたのでご報告する。
  • 本件については、入れ墨のある外国人旅行者が温泉を利用した際に、入浴の可否が過去に問題となったことがあること、今後更なる外国人旅行者の増加が見込まれる中、満足度を低下させることなく、トラブルを少なくして、日本の重要な観光資源である温泉を満喫していただく必要があること、一方で我が国においては風紀上、衛生上、治安上の理由から入れ墨のある方に対する独特のイメージ・制約があること等、様々な考慮すべき点があり、すべての方を満足させる一律の基準を設けることは困難と考えている。
  • 今回の追加調査では、個別の施設における対応方法等についてヒアリングを行った。
  • その結果、主な対応方法は大きく分けて3つに分かれている。 1つ目はシール等で入れ墨部分を覆うなど一定の対応を求めること、2つ目は家族連れの入浴が少ない時間帯の入浴を促すこと、3つ目は貸切風呂や露天風呂付の部屋など、個人専用の風呂へ案内すること、こういった対応が主にされている。
  • 関係省庁としては、警察庁と厚生労働省があるが、警察庁に確認したところ、全国の警察では外国人旅行者に限らず、入浴施設から入れ墨のある方への対応に関する相談があれば、その事案に応じて個別に対応しているということであった。
  • また、厚生労働省に確認したところ、公衆浴場法では、衛生的に問題が生じると考えられない場合、入浴拒否等の措置を求めていないとのことであった。
  • これらを踏まえ、観光庁としては、入れ墨をしている外国人旅行者の入浴に関する留意点とその対応事例をお示しし、施設側と利用者側の相互の摩擦を避けるよう促すことにより、できるだけ多くの外国人旅行者に日本の温泉を満喫していただきたいと考えている。
  • 具体的に留意すべきポイントとしては、宗教、文化、ファッション等の様々な利用で入れ墨をしている場合があること、利用者相互間の理解を深める必要があること、入れ墨があることで衛生上の支障が生じるものではないこと等をお示しすることとし、対応事例については、シール等で入れ墨部分を覆う、入浴する時間帯を工夫する、貸切風呂に案内する等の事例をお示しし、業界団体等を通じて個別の施設に対応改善を促すとともに、警察庁や厚生労働省を通じ、観光庁の取組を全国の警察や自治体の担当部局(保健所等)にお知らせすることとしている。
  • 一方で、これらの対応改善は受入側だけではなく、利用者側の理解協力も重要であるので、観光庁としては引き続き、我が国においては入れ墨に対する独特なイメージがあること、入れ墨をしている場合は一定の対応を求められる場合があること等を、JNTOや各旅行会社のホームページ、パンフレット等様々なチャンネルを通じて、適切な情報提供を行っていきたいと考えている。
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