6番目の理由。
6. 可能なものを与えよ
これは、「口で言うだけでなく、実際にアメリカに与える」と。
実際面では、相互利益というのはつまり、可能な際は常に譲歩や協力をするということだと中国は理解している。そして米国が懸念するある領域において、中国は協力する意思をすでに示している。北朝鮮からの石炭を輸入停止にすることによってだ。
(同上)
ホントに輸入を停止しているか、大いに疑問ですが…。少なくともトランプ政権は、信じているのですね。
7番目の理由。
7. 相手の弱みを自分の強みに
これは、何でしょうか? RPEでも何度か触れましたが、「評判の悪いトランプさんと『逆』のことをする」。具体的には? トランプは、「ナショナリスト」なので、習近平は「私はグローバリストです!」と宣言する。「中国の夢!」(=ナショナリズム)は、どこにいっちゃったのでしょう?
世界の舞台では、習主席は、自分がドナルド・トランプとは違うということを巧みに示した。ダボスでの世界経済フォーラムで、習主席がグローバル化と自由貿易を擁護したのは有名な話だ。
(同上)
というわけで、習近平政権は、トランプが大統領になってから、「国をあげて」アメリカ新政権「懐柔」に奔走してきました。そして、大成功をおさめた。BBC、キャリー・グレイシー中国編集長は、「中国の勝利」と断言しています。
こうした戦術でこれまで上げてきた効果について、中国政府は非常に満足だろう。しかしこれは複数参加型の多面的なゲームで、長期的には多くの危険や罠が存在する。中国は、危険をうまく中和し、トランプ大統領就任1ヶ月目という機会を巧みに利用した。第一ラウンドは中国が勝利した。
(同上)
しかし、キャリー・グレイシーさんは、「戦術」的勝利とはっきり書いています。中国は、依然としてアメリカの戦略上「最大の敵」であることに変わりありません。ですから、米中関係の平穏は長続きしないでしょう。