森友学園問題で掘ったのは墓穴か。安倍首相「総裁3期9年」の皮算用

takano20170306
 

先日掲載の記事「安倍政権を滅ぼす時限爆弾になりそうな『森友学園問題』の深い闇」でもご紹介したとおり、学校法人森友学園と安倍首相夫妻の「関係」が厳しく追求される中、自民党は先日開かれた党大会で総裁任期を3期9年に延長することを正式決定しました。現政権の「超長期政権」への布石が打たれた形となったのですが、「安倍首相が3選を果たすのは普通に考えて難しい」とし、その根拠を詳細に綴っているのはメルマガ『高野孟のTHE JOURNAL』の著者でジャーナリストの高野孟さん。さらに、首相とその支持基盤として知られる日本会議との間に吹き始めた「秋風」についても記しています。

宙に浮く? 安倍首相の「中国包囲網」外交路線──自民党総裁「3期9年」はあるのか

5日開かれた自民党大会で総裁任期を「2期6年から3期9年に延長可能にする党則改定が行われて、向かうところ敵なしであるかの安倍晋三首相だが、本当に1年半後の総裁選で3選を果たすことができるかどうかは、良くて五分五分、普通に考えて6:4かそれ以上で難しいのではないか

本誌が最初から強調してきたように、安倍政治の根底に横たわる基本矛盾は、「親米保守反米愛国の矛盾である。それは、安倍首相に固有のものではなく、自民党そのものが発足当初から抱えてきた矛盾ではあるのだが、岸信介や中曽根康弘がそうであったように、本質的に反米右翼である指導者が親米保守の衣を被って上手に振る舞おうとしても、いずれは限界が露呈する。

安倍首相の場合、それは実体的には、トランプ路線と日本会議人脈との間の辻褄という形で表面化しつつある。

トランプと「価値観」が共有できない?

ここ数号で書き続けていることではあるけれども、先の訪米で安倍首相は米国と「自由、民主主義、基本的人権、法の支配など普遍的な価値観を共有する」というお得意の決まり文句を口にすることがなかった。それはそのはずで、トランプ大統領はそのような価値観の持ち主であるかどうか、極めて疑わしいからである。その決まり文句の裏返しは、「そういう価値観を共有できない中国とは絶対に相容れないので、日米が同盟を強化して中国を封じ込めるために戦いましょう」ということなのだが、表の論理が成り立たないのだとするとどうやって裏の論理を貫くのか

先の安倍首相訪米では、ワシントンでの首脳会談はわずか40分間、通訳時間を差し引けば20分間で、中身のある話は交わされているはずがない。フロリダに移ってゴルフだ宴会だとはしゃいで「親密らしさ」の演出に5時間も10時間も費やしたものの、安倍首相がトランプの対中国姿勢について見極めるだけのシビアな議論に火花が散った気配は絶無である。

ということは、現在の安倍首相は、何となく漠然と、トランプが反中国路線を採ってくれればいいなあという程度の期待感を持ちつつ、しかし本当のところどうなるんだろうかという不安感も抑えきれず、要するにどうしたらいいか分からないという心境であると推測される。

そもそも「価値観」で味方と敵との境界を決めるという発想そのものが、冷戦時代の遺物である。日本は、冷戦が終わって旧ソ連の脅威が基本的に去った後も、何か脅威が差し迫っていないと困るので、北朝鮮の核開発だ、中国の海軍力増強だと、私の用語では「脅威の横滑り」をさせて、冷戦時代と変わらない軍事的脅威が日本に降りかかっているかのような擬制の下で、国家運営を図ってきた。

その擬制を支える最近のバージョンが「価値観外交」で、それがトランプとの間で共有できないとすると、何らかのバージョンアップが必要である。

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