どうなるニコン。最終赤字拡大で創業100周年に最大の危機到来

 

世界のデジタルカメラ市場は大きく縮小しています。一般社団法人カメラ映像機器工業会によると、デジタルカメラの総出荷金額は2008年には2兆1,640億円ありましたが、その後急速に落ち込み、2015年には8,854億円にまで減少しました。撮影機能が充実したスマホの普及により追いやられた形です。キタムラと同様にニコンもこの流れにあらがうことができませんでした。

ニコンは希望退職者数の発表と同じ日に、高級コンパクトデジタルカメラ「DLシリーズ」3機種の発売中止を決定したと発表しました。「開発費の増加と、市場の減速に伴う販売想定数量の下落を考慮し、収益性重視の観点から発売中止を決定した」としています。デジタルカメラの愛好家の期待が高かった新製品でしたが、市場の縮小という大きな流れには勝てませんでした。

ニコンは業績の下方修正を余儀なくされています。カメラ事業は2017年3月期の予想売上高を4,150億円から3,800億円に下方修正しました。下方修正後の売上高は前年比で27.0%減となります。大幅な減収です。特にコンパクトデジタルカメラの市場規模の大幅な縮小を見込んでいて、前年よりも779万台減少すると予想しています。ニコンだけでも308万台減少し、ほぼ半減するとしています。

ニコンは脱カメラに舵を切りました。2016年3月期に大規模な人事異動を断行し、カメラ事業などに在籍していた社員を他の成長事業へシフトさせました。また、カメラ事業を中心に2017年3月期までの3年間で300億円程度の調達コストの削減に取り組んでいます。

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