【書評】徳川幕府は何を守るために、鉄砲の製造を禁止したのか

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信長の鉄砲隊は、ヨーロッパの強国を一蹴できるほどの力を持っていたという事実をご存知でしょうか。ところが徳川幕府は鎖国とともに鉄砲の製造を事実上禁止してしまいます。一体なぜ? 無料メルマガ『クリエイターへ【日刊デジタルクリエイターズ】』の編集長・柴田忠男さんが紹介する一冊の書籍に、その答えが記されています。

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バカが多いのには理由がある
橘玲・著 集英社

橘玲『バカが多いのには理由がある』を読んだ。最初に「バカ」の定義がある。

本書でいう「バカ」は、ファスト思考しかできないひとのことです。それに対して賢いひとは、訓練によってスローな思考が身についています。

って、よく分からないが、著者はもちろんスローな思考が身についたお方であろう。ファスト思考はわかりやすくて快適だが、直感では解けない問題に遭遇したときにはスロー思考が必要となり、ひとはそれを無意識に避けようとする、のだそうだ。我々はみんなバカだけど、それでも「バカ」と「利口」の違いはあるそうだ。もちろん著者は後者なのであろう。

この本は『週刊プレイボーイ』誌に掲載したコラム「そ、そーだったのか!? 真実(ほんとう)のニッポン」を再構成したもので、その時々の政治や社会問題について思ったことを、筆者のいう進化論や政治哲学を背景に、マスメディアと異なる視点で提供したという、重くも軽くもないエッセイである。おおむね理解できるが、同意できないものも少なくない。初出誌の読者を舐めている観もあって、書籍にまとめるならもっとていねいに手を加えて、著者なりの一貫性を出したほうがよかったのではないか。嫌いな言葉だが「上から目線は一貫している。可能な限り直感を捨て、ゆっくり考えよ、といわれてもなあ。

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