急転「首相から100万」暴露へ。森友学園騒動を巡る黒幕は誰だ?

 

それが嘘のように、身をひるがえし、籠池氏は認可申請取り下げの記者会見を開いた。塚本幼稚園内の会場は園児用のイスが並べられ、すし詰め状態。突然オモテに現れた長男、佳茂氏も同席し、父親に加勢した。

籠池氏の恨み節はもっぱらメディアやジャーナリストに向けられた。二十数分続いた独演会の後、質疑が始まると、のっけから荒れ模様となった。

「日本会議の研究」の著者、菅野完氏が「認可申請を取り下げる知恵を理事長にさずけたのは稲田大臣の旦那龍示さんですか」と強烈な質問を投げかけたからだ。

籠池氏は「私が考えました」と答えたが、菅野氏の名を確認するとそれ以上の彼の質問を拒否した。

稲田大臣の夫、龍示氏はかつて森友学園の顧問弁護士だった。国会議員になる前の稲田大臣も「ご主人とともに私の顧問弁護士だった」と籠池氏は後日、菅野氏の単独インタビューで証言した。

その動画をもとに小川敏夫議員が参議院予算委員会で稲田大臣に事実関係をただしたが、稲田大臣は「顧問弁護士だったことはない。法律相談を受けたこともない」と、新聞に動かぬ証拠資料がスクープされるまでかたくなに否定し続けた。その結果、ウソつき大臣として野党から辞任を要求されているのは周知のとおりだ。

必死に自分とは無関係であるかのように装う稲田大臣に対し、籠池夫妻は憎悪をむき出しにしているが、裏を返せば、夫妻にとって稲田氏は重要な存在ではないということなのかもしれない。

森友学園の小学校設置について籠池夫妻が恩義を感じる人といえば、第一に安倍首相と昭恵夫人であろう。ほかに黒幕がいるとすれば、その人物の名をあげたりしないだろう。

認可申請取り下げ会見で、安倍首相夫妻について「何もしてもらってません」と多くを語らず、政治家の口利きに関しては「なかったって言うてるでしょ」と突っぱねるなど、籠池氏は明らかにユーチューブ動画より政治家への態度が軟化していた。政治家サイドから何らかの働きかけがあったのかと勘ぐりたくもなるところだ。

森友学園の小学校校舎建設費は、工事をした業者によると7億5,600万円(大阪府に提出)でも、23億8,400万円(国土交通省への補助金申請額)でもなく、15億5,000万円が本当だという。そのうち11億円の工事代金が未払いという報道がある。

土地代は疑惑の国有地払い下げでタダ同然だったが、それでも、その他の工事費を含めて20億円くらいはかかっていると想像される。

国からの補助金以外の資金はどのように調達したのだろうか。これだけの金額を4億円ほどといわれる寄付金ではまかなえない。しかもここへきて国も、小学校用地を更地にしたうえ違約金が必要(財務省)、補助金を返還してもらう(国交省)と態度を変えた。

察するに、これまでに少なくとも10億円をこえる融資を金融機関から受けているのではないだろうか。

どこから融資を受けているかは分からない。りそな銀行という説もある。複数の金融機関かもしれない。

いずれにせよ、こうなった以上、よほどの特別扱いで返済を猶予してもらうか、籠池氏の考えに共鳴する大金持ちの支援でもない限り、この学園が存続できるわけがない。

かりに、認可申請取り下げをする代わりとして、そういうたぐいの救済策が提案されたとしたら籠池氏はそれに飛びつかざるを得なかっただろう。

国有地払い下げの実務を担ったのが財務省、その大臣、麻生太郎氏は金融庁担当大臣でもある。常識的には考えにくいことだが、もし銀行が返済猶予等の特別扱いをするとすれば、このあたりが怪しいということになる。

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