政治も経済も末期的だった李氏朝鮮の時代から、朝鮮人は満州、さらには極寒の凍原のシベリアまで家族連れで入植していきました。そして北は古代から鎖国の伝統が強いため、戦後は「脱北者」よりも「脱南者」のほうが多いのです。韓国から海外に逃げ出す者のほうが多かったということです。
仮にこれから順北派の大統領になっても、いかにして共倒れを避けるかということが国家的課題となるでしょう。反日・反米、親中・親北だけでは、いずれ南も北も崩壊は免れないでしょう。
とくに現在の世界は国益中心となっているため、北も南もバランサーになれず、19世紀以前の「枯死国」に先祖返りしつつあります。南と北が一つとなっても、マイナス要素の増大でしかありません。北朝鮮がいくら核を持ち、重武装国家であっても、自律で生き残れる条件がほとんどありません。
朝鮮半島は近現代史のなかで、日韓合邦以後、自立できていたのかどうかを考える必要があります。私は南と北が一つになったら、それは未曾有の悲劇の始まりだと思っています。
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