【書評】学校は国の「洗脳」出先機関? 過激なホリエモン的教育論

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何かと否定されることが多い日本の学校教育システム。関連書籍も多数刊行されていますが、その決定版ともいうべき一冊が登場しました。無料メルマガ『毎日3分読書革命!土井英司のビジネスブックマラソン』の著者・土井英司さんが、堀江貴文氏による「賛否両論必至の論考」が記された書籍を紹介しています。

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すべての教育は「洗脳」である
堀江貴文・著 光文社

こんにちは、土井英司です。

作家の橘玲氏が、ベストセラー『言ってはいけない』の終わりに、じつに興味深いことを書いていました。

私は、不愉快なものにこそ語るべき価値があると考えている。きれいごとをいうひとは、いくらでもいるのだから。

本日ご紹介する一冊は、まさにその「不愉快なものに該当する一冊。堀江貴文氏、通称ホリエモンによる教育論です。

日本の学校教育を徹底批判し、その結果生まれてきた日本人の特質や文化を批判する。賛否両論、大荒れ必至の論考ですが、あえて紹介することにします。不愉快な物言いを好まない方は、最初から読まないことをおすすめします。

本書の論調は、こんな感じです。

旧態依然とした学校教育の中で、日本人は洗脳されている。やりたいことを我慢し、自分にブレーキをかけ、自分の可能性に蓋をすることを推奨する恐ろしい洗脳が、白昼堂々なされているのが今の学校なのだ

なぜ学校は恣意的な常識を人に押し付けようとするのか? その常識によってどんな人間を育てようとしているのか? 一言でいえば、従順な家畜である

学校の大きな役割は二つあった。一つは子どもの保護。そしてもう一つは、彼らを「望ましい工場労働者」へと育てあげることだ

著者は本書のなかで、国民国家の存在意義についても言及しており、正直、「あ~あ本当のこと言っちゃった」という印象でした。

国民国家が存在意義を失ったかどうかは議論の余地があると思いますが、以下の指摘は、覚えておくべきでしょう。

国家が育成したいのは、第一に優秀な「国民」である。国家が国民に求める「務め」は、大きく三つある。兵士として戦うこと、出産すること、そして納税だ

すべて本質を突いた議論ではありますが、「常識」にどっぷり浸かった方にとっては、かなり混乱をきたす内容でしょう。

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