南シナ海で中国に事実上の敗北宣言。フィリピン大統領に何が起きたか

 

ほとんど問題視されていない、中国の行動

このように、中国は、仲裁裁判所の判決を完全無視して、南シナ海の実効支配拡大に動いている。国際法を堂々と破り、平気な顔をしている。

さらに問題なのは、国際社会で中国の行動が現在ほとんど問題視されていないこと。実際、「史上最弱の大統領」と揶揄されたオバマ時代の方がまだマシでした。

なぜ中国は、非難されないのでしょうか? 理由は、国際社会の悪役」が現在、トランプとプーチンだからです。トランプは、「孤立主義」で「ナショナリスト」で「保護主義者」である。それで、(ダボス会議に集まるような)グローバリストの世界エリートに嫌われている。そして、トランプとプーチンの「ナショナリスト同盟」ができると困るので、せっせと「プーチン悪魔化を推進している。

では、中国は? 習近平は今年1月、ダボス会議で、「グローバル化絶対支持宣言」をしました。彼は、賢明にも「チャイナ・ファースト」(=中国の夢)という主張を引っ込めた。それで世界のエリート達は、「習近平はトランプよりもマシ」と考えるようになった。

ちなみに安倍総理は、欧州を訪問し、「日本は自由貿易を守るチャンピオンでありたい!」と宣言しました。これは、安倍総理が「世界で起こっていることをよく理解されている」ということです。

習近平が、「グローバリズム絶対支持宣言」をしたので、安倍総理は、「自由主義を守るチャンピオンでありたい!」と言った。つまり、「グローバリストである世界のエリート達を懐柔した。

というわけで、現状、トランプとプーチンは厳しい状態になっています。

習近平は、グローバリストと和解した。トランプの娘イヴァンカファミリーを懐柔し、トランプ自身を軟化させることに成功した。

日本は? 安倍総理は、森友学園問題で追いつめられています。それでも、現状日本は、悪くない位置につけています。「悪くない位置にいるのはほとんど安倍総理の功績です。

 

 

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【著者】 北野幸伯 【発行周期】 不定期

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