現金の落し物、過去最高「36億円」から見える日本の深刻な格差社会

 

そんな中でアジアは中間層が伸びている数少ない地域だろう。アジアでは年収5,000ドルから3万5,000ドル(円にして約55万円から385万円)の層を中間層と呼び、東南アジアでは約8億人の中間層が存在するとみられている。家庭生活で電気冷蔵庫や電気洗濯機、テレビなどの日用家電品やバイク、自動車などをローンで買っている人々だ。これらアジアの中間層は2030年代には20億人を超すと予想されている。

これに対し日本では少子高齢化、所得層の二極分解などで不安を感じ財布のヒモを締めにかかっているのが実情だ。しかし、それにも拘わらず累計で毎日1,000万円を落としている人々がいる現実をどう考えたらいいのだろう。バブル時代の緩みからまだ目が覚めていないのだろうか。

(財界 2017年4月4日号 第444回)

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ジャーナリスト。1942年生。慶応大学経済学部卒業後、毎日新聞社入社。大蔵省、日銀、財界、ワシントン特派員等を経て1987年からフリー。TBSテレビ「ブロードキャスター」「NEWS23」「朝ズバッ!」等のコメンテーター、BS-TBS「グローバル・ナビフロント」のキャスターを約15年務め、TBSラジオ「森本毅郎・スタンバイ!」に27年間出演。現在は、TBSラジオ「嶌信彦 人生百景『志の人たち』」出演。近著にウズベキスタン抑留者のナボイ劇場建設秘話を描いたノンフィクション「伝説となった日本兵捕虜-ソ連四大劇場を建てた男たち-」を角川書店より発売。著書多数。NPO「日本ニュース時事能力検定協会」理事、NPO「日本ウズベキスタン協会」 会長。先進国サミットの取材は約30回に及ぶ。

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【著者】 嶌信彦 【発行周期】 ほぼ 平日刊

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