ゴーン社長の退任を世界はどう報じた?日本企業と黒船シンドローム

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海外のメディアで報じられたニュースを解説する『心をつなぐ英会話メルマガ』。今回は、15年以上日産のトップを努めてきたカスロス・ゴーン氏が退任したニュースについてです。メルマガ著者の山久瀬洋二さんは、日本に外国人経営者が少ない理由を「黒船シンドローム」と呼ばれる日本人の国民性にあると解説。ゴーン氏退陣後の日産の未来は未知数としながらも、日本人に根強く残るこの国民性がある限り、日本企業の将来は明るくないと予想しています。

カルロス・ゴーンの退任と「黒船シンドローム」

海外のメディアで報じられたニュースを解説します。日本のマスコミではあまり報じられない切り口で、本当はどういう意味で報じられているのかを私見を交えてお伝えします。

今週のテーマは、「カルロス・ゴーンと日産の図式からみる日本企業の今後の課題」です。

【海外ニュース】
Carlos Ghosn is stepping aside as the chief executive of Nissan Motor, more than 15 years after he took control of the Japanese automaker and helped save it from collapse, becoming in the process a rare and celebrated foreign executive in Japan.

訳:15年以上日産を死の淵から救い、日本では稀な外国人の経営者として賞賛されたカルロス・ゴーンが日産の経営のトップから退くことに(New York Timesより)

【ニュース解説】

「黒船シンドローム」Black Ship syndrome とよくいわれます。

162年前に黒船が来航したことで、日本は長年続いていた鎖国をやめ、260年以上続いた徳川幕府 Tokugawa feudal government の崩壊と近代化がはじまりました。

つまり、黒船という外圧があって、はじめて日本の社会は変わったのだという外圧 foreign pressure こそが日本を変えるという意識のことを、「黒船シンドローム」という人がいるのです。

明治維新 The Meiji Restoration を経験した日本にとっての次の変化は、第二次世界大戦の終結でした。

軍国主義 militarism に走って戦争をおこし、敗戦の憂き目を見た日本は、アメリカをはじめとする連合軍の管理下におかれ、マッカーサーによって日本の民主化が断行されたとき、日本は再び大きく変化したのでした。

その後日本は高度成長によって、経済力をつけました。

しかし日本はさらにその後大きな試練に見舞われます。

それがバブル経済の崩壊 burst of bubble economy でした。

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