暴走・北朝鮮に振り上げたこぶし、落とし所はどこになるのか?

 

シナリオ5=ズルズルと現状維持

そんなわけで、「危機の最終的な解決=出口戦略」というのは、政治的・経済的にコストがかかるわけで、簡単には実現しそうもありません。そうなると、ズルズルと現状維持ということになります。

そうなった場合に、ここまで露骨な核・ミサイル開発をやっても、国連や国際社会から「黙認される」という誤ったメッセージを北朝鮮が受け取る、第三国に(例えばシリア対策)対しての悪しき前例となるという問題が出てきます。

また、拉致やテロ、国内での人道危機といった犯罪も事実上の黙認」状態となり、同時に「原状回復」のないままに時間が更に空費されるという問題も出てきます。ですが、事実上は、この「ズルズルと現状維持というシナリオが一番可能性としては高そうです。何とも政治的には困難な状況が続くということです。

 

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東京都生まれ。東京大学文学部卒業、コロンビア大学大学院卒。1993年より米国在住。メールマガジンJMM(村上龍編集長)に「FROM911、USAレポート」を寄稿。米国と日本を行き来する冷泉さんだからこその鋭い記事が人気のメルマガは第1~第4火曜日配信。

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