年金を65歳よりも早く貰うと、どれほど「損」をするのか?

 

どうなるのか。計算はザックリですが…、まず63歳から貰う本来の老齢厚生年金(報酬に比例する部分)を算出。

42万円÷1,000×7.125×335ヶ月+35万円÷1,000×5.481×45ヶ月=100万2,488円+8万6,326円=108万8,814円月額9万734円)。

65歳になると老齢基礎年金と付加年金の支給も開始。老齢基礎年金はこの男性が20歳になる昭和52(1977)年4月から平成15(2003)年2月までの厚生年金期間311ヶ月。平成15(2003)年3月から平成21(2009)年6月までの国民年金保険料納付済期間76ヶ月。平成21年7月から平成25(2013)年6月までの国民年金全額免除期間48ヶ月。平成25年7月から60歳前月の平成29(2017)年3月までの45ヶ月間を見る。

20歳到達月から60歳前月までは年金保険料納付義務があり、この期間の厚生年金期間や共済組合期間は国民年金にも二重に加入している状態だから65歳からの老齢基礎年金にも反映する。

老齢基礎年金額→77万9,300円÷480ヶ月×(311ヶ月+76ヶ月+48ヶ月÷2+45ヶ月)=77万9,300円÷480ヶ月×456ヶ月=74万335円

付加年金→200円×76ヶ月=1万5,200円

65歳になれば、年金総額は老齢厚生年金(報酬に比例する部分)108万8,814円+老齢基礎年金74万335円+付加年金1万5,200円=184万4,349円月額15万3,695円)。

ちなみに、年金額は65歳時に経過的加算という年金でもうちょい増える

経過的加算差額加算ともいう)→1,625円×全体の厚生年金期間380ヶ月-77万9,300円÷480ヶ月×(昭和36年4月以降で20歳から60歳前月までの厚生年金期間356ヶ月)=61万7,500円-57万7,981円=3万9,519円

経過的加算(日本年金機構)

65歳時の年金総額は184万4,349円+経過的加算3万9,519円=188万3,868円月額15万6,989円)。

というわけで、63歳から貰う老齢厚生年金(報酬に比例する部分)108万8,814円と経過的加算3万9,519円、65歳から貰う老齢基礎年金74万335円と付加年金1万5,200円を60歳から貰う事にする。

1ヶ月早めに貰うごとに0.5%ずつ年金が減額される

※注意
年金の繰上げは繰上げの請求をした月から65歳到達月の前月までの月数で計算されます。60歳到達日以後ならどこから繰上げてもいい

この男性は老齢厚生年金だと3年(36ヶ月)早めに貰うから36ヶ月×0.5%=18%減額。よって108万8,814円×18%=19万5,987円減額。

老齢基礎年金74万335円は65歳より5年(60ヶ月)早く貰うから、60ヶ月×0.5%=30%減額。よって74万335円×30%=22万2,101円減額。付加年金も1万5,200円×30%=4,560円減額。

経過的加算3万9,519円も60ヶ月早めに貰うから3万9,519円×30%=1万1,856円減額とはなるが、減額分は老齢厚生年金(報酬に比例する部分)から差し引いて経過的加算そのものは全額支給される。

なお、経過的加算は老齢厚生年金の部類に入る。よって、老齢厚生年金{報酬比例部分(108万8,814円-19万5,987円-1万1,856円)+経過的加算3万9,519円}+老齢基礎年金(74万335円-22万2,101円)+付加年金(1万5,200円-4万,560円)=老齢厚生年金(報酬比例部分88万971円+経過的加算3万9,519円)+老齢基礎年金51万8,234円+付加年金1万640円=144万9,364円月額12万780円)。

年金の繰上げをした事で、本来なら65歳から188万3,868円月額15万6,989円)の年金が貰えてたのに60歳で繰上げた事により、43万4,504円減額の144万9,364円月額12万780円)になってしまいました。

この減額された年金が一生続いてしまうので注意が必要。年金の繰上げを請求したら取り消しが不可になる。その他にも注意事項はあり、年金事務所でもデメリットは必ず説明されます。しかし、こういう減額が一生続いても構わないから繰上げをして早めに年金を貰いたいと希望する人は多いです。

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