『オクトパス』知ってる? 懐かしのゲーム&ウォッチを再生させる

2017-04-24gw00
 

あの頃、俺たちを熱くした「昭和のオモチャ」をオトナ買い(落札)して振り返るシリーズ連載。今まで「野球盤」「チクタクバンバン」「ドライビングターボ」「たまごっち」と、さまざまなおもちゃが息を吹き返しました。そして、今回は任天堂初の携帯型ゲーム機「ゲーム&ウォッチ」(通称:ゲームウォッチ)です。ファミコン前夜の任天堂ゲーム機の原点ココにあり。懐かしい人も、初めて見る人も、ゲームウォッチを手にしたくなること間違いなしですよ。

日本における携帯ゲーム機の元祖と言えば?

僕たちはかつて「ゲームウォッチ」と呼んでいましたが、その名は正しくありません。正確にはゲーム&ウォッチ」。

ゲームと時計の両方の機能を搭載した、手のひらサイズのコンパクトゲーム機であり、時計でもあります。この2つの機能を融合した斬新なデバイスが誕生したのは1980年。開発に至るには「ゲームボーイの生みの親であり、当時任天堂の開発第一部の部長だった故・横井軍平氏が電卓でポチポチと遊ぶサラリーマンを見て、暇つぶしができるゲームというジャンルを思いついたというストーリーがあります。

ゲーム&ウォッチは全59タイトルが発売されましたが、今回は第三世代の「WIDE SCREEN(ワイドスクリーン)」の『オクトパス』。第四世代で二画面化された「MULTI SCREEN(マルチスクリーン)」の『オイルパニック』『ドンキーコング』を入手しました。発売当初は、大人の暇つぶしゲーム機というコンセプトでしたが、予想外に子どもたちにウケが良く、ほぼゲーム機として特化したマルチスクリーンあたりは子どもたちの憧れの的でした。このスタイルはその24年後にニンテンドーDSに引き継がれることになります。

「実家からゲーム&ウォッチを発掘したのですが、どうも動かないんですよね」

と、入手先はまぐまぐニュースの編集長。唯一無事に動くのは『オクトパス』だけでした。動くと言ってもやはり万全とは言えず、画面の中央に多少の液漏れ劣化のシミがありました。

船上の潜水夫を動かし、タコの足に引っかからないように注意しつつ財宝を手に入れるとスコアに加算。再び船上へと生還できればさらにスコアは上がります。操作方法は左右のボタンのみという究極のシンプルさ。通常難易度の「GAME A」難易度が高い「GAME B」がありますが、今遊んでみると意外と「GAME A」でも難しいのです。

タコの動きは特定パターンで伸び縮みするので、慎重を第一に挑めば負けることはありません。今ならば、映像解析を利用して完全にオクトパスを攻略するAIなんて物も作れることでしょう。しかし、そこはうまく人間の心理を突いています。財宝に到達してから袋詰するという操作があり、「一度にたくさん持って帰りたい!といった欲が出るのですこのタコめ!

宝の山を目にした子どもたちが、そこで辛抱できるはずはありません。そして、僕はこの小さな液晶を手に持ったその瞬間から、すっかりあの頃に戻っています。もうちょっと、もう1掴みだけ宝を……。この誘惑に勝てるものこそオクトパスに勝利できるのです

遊び始めると妙にハマってしまって、気がつくと1時間ほど経過していることもあります。……タコめ

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