誰でも簡単に専門的な情報を入手できるようになった昨今、我々の趣味嗜好はディープに、そしてマニアックな方向へとシフトしています。そんな時代のビジネスはどうあるべきなのでしょうか。無料メルマガ『サラリーマンで年収1000万円を目指せ。』の著者・佐藤しょ~おんさんが、これからの「新しいマーケティング」について考察しています。
狭く深く生きるのがふさわしい時代
ネットがこれだけ発達して、スマフォを初めとするツールがこれだけ普及すると、情報を手に入れるということのハードルがほとんどゼロになりました。何か知りたいと思ってググれば、そこそこ精度の高い情報が瞬く間に手に入るからです。
そういう時代に何が起こるかというと、物事がドンドン細分化し、ニッチな方向に枝分かれして行くはずなんです。もう少し別の表現をすると、よりディープな方向に興味がシフトして行くということです。かつてはヒットソングといったら、テレビでもラジオでも有線でも、そして街中でも同じ曲が繰り返し流されている曲、国民の大半が知っている曲という定義だったんですが、今では、
- 高校生の中だけで売れている曲
- 40代50代の男性で売れている曲
- アイドル好きの中だけで売れている曲
- 洋楽ファンに売れている曲
は当たり前ですが全然違うんです。そしてこの垣根が飛び越えたり混ざったりすることはないんですね。お互いが完全に独立したマーケットとして、別の世界として動いている。だから宣伝広告や、流通の方法もそのマーケットに特化したモノを用意しないとビジネスにならないわけです。そういうことがドンドン顕著になってきました。
これはスポーツだって、旅行だって、グルメだってみんな同じで、出来るだけ他の人とは被らない、自分だけの好き嫌いを追及するようになって来たんですね。
オタクの世界でも同じで、ミリオタ(ミリタリーオタク)とか鉄ちゃん(鉄道マニア)もドンドン細分化していて、ミリオタなら
- 戦史オタク
- 制服オタク
- 艦船オタク
- 体験オタク
では興味の対象、おカネの使い方が全然違うんです。鉄ちゃんも同じで、撮り鉄(写真を撮るのが好きな鉄道マニア)と、乗り鉄(実際に乗るのが好きな鉄道マニア)、模型鉄(Nゲージとかでジオラマを作るのが好きな鉄道マニア)では、一緒に集まっても全く会話が成立しないみたいです。つまり彼らを大きな枠の「ミリタリーオタク」とか、「鉄道マニア」と呼ぶのがふさわしくないわけです。
「人とは違う」ことに価値がおかれる時代のビジネスモデルとは?