ベトナム独立運動を無償で支えた日本人医師・浅羽佐喜太郎の義挙

jog20170428
 

今年、ベトナムを初訪問された両陛下が訪れた独立運動家ファン・ボイ・チャウの記念館。「ファンとは? そして日本とどんな関係が…?」と疑問に思われた方も多いかと思います。実はこの男性こそ、日本とベトナムの絆を知る上で欠かせない人物でした。今回の無料メルマガ『Japan on the Globe-国際派日本人養成講座』では、フランスからの独立を目指したファンが、日露戦争で勝利した日本に学ぼうと始めた「東遊(ドンズー)運動」の歴史と、彼らを助けた日本人の義挙が紹介されています。

ベトナム独立運動を扶けた日本人

本年2月28日から3月6日にわたって、両陛下が初めてベトナムを訪問された。

ベトナム・フエでは空港から約16キロの宿舎までの間、ほぼ途切れることなく沿道で地元住民が両陛下を出迎え、日本国内各地へのご訪問と遜色ない光景が見られた。
(「日本の足跡、再発見の旅 両陛下ベトナム、タイご訪問」産経ニュース H29.03.06)

両陛下はフエで独立運動家ファン・ボイ・チャウの記念館を訪問された。ベトナムで日本語・日本文化を教えていた田中孜(つとむ)ホンバン大学名誉教授はこの人物を次のように紹介している。

ヴェトナムでは、潘佩珠(JOG注: ファン・ボイ・チャウ)のことを知らない人はいません。「ヴェトナム民族の独立と解放運動の最も著名な指導者」として、教科書にも取り上げられています。また、潘佩珠の名前は学校や道路にもつけられています。
『日越ドンズーの華―ヴェトナム独立秘史 潘佩珠(ファンボイチョウ)の東遊(ドンズー)(=日本に学べ)運動と浅羽佐喜太郎』田中孜 著/明成社

このファン・ボイ・チャウはフランスからの独立を目指して、日露戦争に勝利した日本に学ぶ東遊(ドンズー)運動」を始め、一時は300人もの留学生を日本に呼び寄せて独立の志士として育てた人物である。その過程で朝野の日本人が親身になって彼らの世話をし、運動を支援した。

ベトナムの人々がこれほどまでに両陛下を歓待したのも、そういう日越の歴史的な繋がりも一役買っているだろう。本号ではファン・ボイ・チャウと彼を助けた日本人たちの足跡を辿ってみたい。

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