観測データを持たぬ御用学者に地震は予測できない【村井vs早川対談】

2017.05.11
by よっすぃ~♪(まぐまぐ編集部)
 

今後「地震予測」はどのように活用されるべきか

ま:お二人のこれまでの研究の経緯をお聞きしていると、なかなか地震予測についての理解が世間や学会でなかなか進まないという現実があって、なんだかものすごくもどかしい気分がします。

早川:特に地震学の人間は、われわれの話に対して本当に聞く耳を持ってくれないんですよね。

実は阪神淡路大震災が起こった後なんですが、村井先生もご存知だと思うのですが、もともと東大の地震研究所のご出身でプレートテクトニクス研究の第一人者である上田誠也先生に、「ちょっと地震学のところに行って話をしてみませんか」と誘われて、話をしにいったことがあるんです。でもその時も、向こうの反応は悪かった。それどころか「早川のような変ないかがわしい人間と付き合うな」みたいな空気になるんですよ。私と付き合うと、いわゆる「地震村」のソサエティで立場がなくなるというか。

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村井:上田先生は、私のことをフジテレビに紹介してくださった方なんです。で、私が会社を作ってすぐの頃にワークショップを開催したときに、わざわざ来てくださったんですよ。

偉い先生がやって来たっていうことで、来賓の挨拶を5分くらいでお願いしたんですが、上田先生は15分間に渡って、現在の地震学がいかに地震予知ができないかということを滔々と話されて、その上で私に向かって「期待していますよ」とおっしゃって、元気付けてくれたんです。地震学の中枢にいらっしゃる方のなかでも、上田先生ほど柔軟な考えをお持ちの方っていうのは、他にいらっしゃらないと思います。

早川:いないですね。それなのに、その周りにいる人間たちが理解できないんですから、どうしようもない。あるいは、実は頭の中では理解しているんだけど、われわれのところとは一緒にできないという地震学者としての立場上の問題で、分からないふりをしているだけかもしれないですが。まあ、しょうがない話なのかもしれませんね。……しかし今日は村井先生のお話を伺って、そちらもわれわれと同じような取り扱いを受けてるんだなっていうことが、よく分かりました。

村井:まぁ野党のようなものですからね(笑)。

早川:野党も野党で、めちゃめちゃ少数派のマイノリティですから。

ま:そもそも、どうして「地震予測はいかがわしいものである」といったイメージが生まれたのか、お二人はどうお考えですか?

早川:それは、国が「地震予知はできない」ということを宣言したのが大きいんですよ。もちろんそれは地震学だけの結論であって、われわれの結論ではもちろんありませんけど。

新聞とかのメディアも、それに乗っかっちゃうわけなんです。私自身も嫌な経験があって、阪神淡路大震災が起こった後なんですが、先ほども話した通り地震の予知は可能なんじゃないかということが分かったので、研究や情報配信に協力してくれる民間の企業を探してたんです。すると、それをある新聞社が聞きつけて取材に来たんですが、掲載された記事を見てみると、なんと「地震予知を売ろうとする不埒な輩がいる」っていう論調だったんです。親方日の丸とはよく言いますけど、国の言う絶対意志の影響力というのは、想像以上に強いんだなって思い知らされましたよ。

村井:ただ、お役所や世間などの反応も、昔と比べると随分良くなって来ているというか、今の若い人たちはむしろ支援してくれる雰囲気になってるような気もしますけどね。

早川:確かに、ここ数年でずいぶん変わってると思います。私は2015年は地震予知元年と位置付けてるんですけど、ここに来て村井さんや私のところ以外にも、地震予知を行うところがたくさん出てきて、世間的にも地震予知という言葉がかなり広まっている気がします。私個人としても、今のようにいろんな予測法が出て来る状況というのは、とても歓迎すべきことだと思います。

村井:私はだいたい年に30回ぐらい、いろんなところで講演させていただいていて、以前だと半信半疑で聴いていらっしゃる方が多いように見受けられたんですが、最近では「メルマガの会員です」「非常時に向けての心の支えになってます」と話しかけてくださる方が結構増えてきているんです。そういう点では手ごたえはすごく感じていますが、まだまだ広く多くの方に知ってもらいたいという思いもあります。

早川:そうですね。どういう印象を持たれるのであれ、まずは知っていただかない限りはどうしようもないですから。私なんかはもう「地震の予知をしている、いかがわしい早川という男を知っていただく」というのが、スタート地点でもいいかなとまで思うようになりましたから(笑)。

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酸いも甘いも噛み分ける両教授による忌憚なきクロストークですが、MAG2 NEWSでお読みいただけるのはここまで。村井教授の『週刊MEGA地震予測』、早川教授の『【1週間前に地震を予知】早川教授の最新『WEEKLY 地震予報』』のどちらかを5月中にご登録いただくと、今後警戒すべき大規模地震の危険エリアについても言及した、当対談の「完全版」を読むことができます。お二人のメルマガはともに「初月無料」。この機会にぜひご登録ください。

Photo by:Sakito Taki(MAG2 NEWS)

 

『週刊MEGA地震予測』
著者/JESEA(地震科学探査機構)
測量学の世界的権威である東京大学名誉教授・村井俊治氏による、測量工学的アプローチに基づいた地震予測を毎週配信。2014年に発生した震度5以上の地震を全て予測するなど、高い予測的中実績を誇り、テレビ・新聞・雑誌等での紹介も多数。
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『【1週間前に地震を予知】早川教授の最新『WEEKLY 地震予報』』
著者/早川正士
『地震』が事前にわかれば、自分と自分の大切な人の命が守れます。日本地震予知学会会長で電気通信大学名誉教授の早川正士先生が発見した理論から関東中心に『地震予知』を行い、お知らせするサービスです(毎週火曜日+緊急号外配信あり)。地震は地下の活動による直接的な現象だけでなく、宇宙空間までその影響が及んでいます。電離層と電波から地震の起こる約1週間前に地震発生の前兆現象をつかむ技術(特許第4867016号)で、短期地震予知を実用化しました。「何よりも地震による被害を最小限に抑えたい」それが早川教授の想いです。
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