安倍総理が語り始めた「憲法改正案」は、どこに無理があるのか?

 

憲法改正が世界と日本に与える影響

次に、日本の憲法改正が世界と日本に与える影響について考えてみましょう。

皆さんご存知のように、中国は2012年11月、ロシア、韓国に、「反日統一共同戦線」戦略を提案しました。その骨子は、

  1. 中国、ロシア、韓国で、「反日統一共同戦線」をつくる。
  2. 中ロ韓で、日本の領土要求を断念させる。
    断念させる領土とは、北方4島、竹島、尖閣・「沖縄」である(日本に「沖縄」の領有権はない!!!)
  3. 「アメリカ」を「反日統一共同戦線」に引き込む。

● 必読絶対証拠は、こちら→反日統一共同戦線を呼びかける中国

中国は、この戦略でずっとやっています。中国が、アメリカ、ロシア、韓国を説得する時に使っているのが、以下のロジックです。

  • 日本は、右傾化している
  • 日本は、再び軍国主義化している
  • 日本は、歴史の修正を目指している

この傾向の「証拠」として、中国が挙げているのが、

  • 靖国参拝
  • 慰安婦問題、南京大虐殺否定
  • 憲法改正

などです。「憲法改正」がなぜ「軍国主義化」に繋がるかというと、日本のリベラルと同じ主張ですね。「平和憲法を修正するのは軍国主義化の証拠」というのです。

そして、「アメリカ製日本憲法を変えるのは、日本が再びアメリカに反逆する前兆だ!」と嫌がるアメリカの政治家もいます。私たちには「バカバカしい主張」ですが、リベラルなオバマさんは、2013年~2014年はじめまで、かなり中国に賛同していました。

日米関係は、2014年3月の「クリミア併合」、2015年3月の「AIIB事件」を経て良好になった。しかし、オバマさんは、安倍総理が登場して1年以上、中国の戦略に乗せられていました。

憲法改正」。それがどんな形のものであれ、中国韓国は大騒ぎするでしょう。アメリカはどうでしょうか? オバマさんと比べれは、トランプさんの理解は得やすいと思います。しかし、中国に近いアメリカ民主党からは反対の声があがることでしょう。

中国の対日戦略の最重要ポイントは、「日米関係を破壊すること」。ですから、憲法を改正するにしても、アメリカのリアクションを十分リサーチしておく必要があるでしょう。

中国は、熱心に「トランプ懐柔工作」をやっているので、まったく油断できません。そして、安倍総理の主張自体かなり無理があるので、「じっくり議論が必要」というのは、そのとおりですね。

image by: 首相官邸

北野幸伯この著者の記事一覧

日本のエリートがこっそり読んでいる秘伝のメルマガ。驚愕の予測的中率に、問合わせが殺到中。わけのわからない世界情勢を、世界一わかりやすく解説しています。まぐまぐ殿堂入り!まぐまぐ大賞2015年・総合大賞一位の実力!

無料メルマガ好評配信中

この記事が気に入ったら登録!しよう 『 ロシア政治経済ジャーナル 』

【著者】 北野幸伯 【発行周期】 不定期

print
いま読まれてます

  • 安倍総理が語り始めた「憲法改正案」は、どこに無理があるのか?
    この記事が気に入ったら
    いいね!しよう
    MAG2 NEWSの最新情報をお届け