「同じ轍」は踏むな。東芝の大失敗に学んだ国内大企業のM&A事情

 

海外企業の買収に失敗したことで多額の負債を抱え、今も上場廃止の噂が囁かれる東芝。これを受け「同じ轍を踏むまい」と思ったのか、海外ではなく国内のベンチャー企業を買収する大企業が急増しています。今回の無料メルマガ『ジャーナリスト嶌信彦「時代を読む」』では、日本企業が国内需要の開拓や輸出品の開発をやめ企業買収に走りだした経緯と、そのM&Aの対象として国内ベンチャーに目を向け始めた理由について嶌さんが詳しく分析しています。

大企業は日本ベンチャーに注目

日本の大企業が国内のユニークなベンチャー企業に目をつけM&A買収・吸収合併に走っている。大企業の海外企業へのM&Aは、ここ10年で急速に拡大しており、最近は海外だけでなく国内の特色を持った将来性のあるベンチャー企業を物色しはじめたのだ。

M&A助言企業のレコフによると、2016年の未上場のベンチャー企業に対するM&Aは347件にのぼり、金額では1,025億円に達した。これは調査を始めた4年前の52件の6.7倍金額では3.6倍になる。買い手はトヨタ自動車、大塚ホールディングス、KDDI、オンワードホールディングス、楽天など自動車、通信会社、流通、衣料品メーカーなど多種多様だ。ベンチャー側は化粧品、人工知能、動画マーケティング、チケットや宿泊の予約サイトなどを提供。売り値や出資額は数億円から数十億円と海外企業のM&Aに比べるとぐっと小ぶりである。

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