韓国の新大統領は、なぜアメリカに嫌われているのか?

 

韓国の歴代大統領が反日をテコにして政権浮揚を狙うのはいつものことですから、この点では誰が大統領になっても大して変わらなかったでしょう。しかし、北朝鮮問題では融和派の文在寅氏が大統領になったことで、北朝鮮と中国が大喜びしているはずです。文在寅氏を利用することで、アメリカの韓国不信を増大させ、米韓を離間させることができるからです。

文在寅氏は、盧武鉉政権時の2007年に、日本や欧米が主導した国連での北朝鮮人権決議案に対し、「北朝鮮の意見を聞いて態度を決めるべきだ」という意見に同調、その結果、韓国は採決を棄権するということになったことを暴露されています。

北の意見聞き人権決議棄権 元外相回顧録「事実なら衝撃」=韓国

国連決議に対して、北朝鮮にご意見を伺った人物が大統領になるのですから、これは大変なことです。もちろん本人は否定していますが、当然ながら国内の保守派も、日本や欧米も危惧せざるをえません。

文在寅氏は、アメリカに預けてある戦時作戦統制権を早期に取り戻すべきだとも主張しています。これについてはもともと盧武鉉が返還を言い出したことで、アメリカもこれに応じたのですが、その後の李明博政権も朴槿恵政権も、返還の延期、再延期を繰り返してきました。

もともと実戦経験の乏しい韓国軍です。一応、韓国の前身である上海臨時政府の際に結成された「光復軍」が勇敢な抗日戦争を繰り広げたことになっていますが、まったく交戦することもなく終戦を迎えてしまったのが現実です。

また、朝鮮戦争時も、最高責任者である李承晩大統領が「ソウル死守」を叫んだものの、南進してくる北朝鮮軍に対して真っ先に逃げ、しかも追手を防ぐために漢江人道橋を爆破、そのため逃げ遅れた韓国人の多くが北朝鮮軍に粛清されてしまいました。

その後、韓国軍はアメリカの援軍が到着するまで押しまくられる一方で、もう一歩で全朝鮮半島を北朝鮮側に制圧されるところでした。

いずれにせよ、戦時作戦統制権を韓国が取り戻すということは、やがて在韓米軍の縮小から撤退につながる話です。とくに反米政権であれば、その流れは加速します。だから北朝鮮や中国には願ったりの結果なのです。

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