なお、一帯一路国際会議の開催さなか、北朝鮮がミサイル発射を行い、習近平の顔に泥を塗りました。その北朝鮮の代表団も、一応、中国から招待され、参加していただけに、北朝鮮の行動に習近平も怒り心頭でしょう。
●北朝鮮代表団、「一帯一路」サミットにひっそりと参加―米メディア
北朝鮮はこのミサイルを「主体弾」と呼んで、自主開発を強調していますが、この「主体」という言葉は、もちろん「主体思想」同様、自立精神という意味も含んでいます。朝鮮半島は1000年以上にわたって中華の属国として、事大主義を貫いてきました。
北朝鮮が今回のミサイルを「主体弾」と呼ぶ背景には、中国には従わないという意味が込められているのだと思います。
北朝鮮も中国からの経済支援によって生き延びているようなものですが、スリランカなどが融資トラップで中国の「植民地化」が進んでいる一方で、宗属関係が長かった北朝鮮が瀬戸際外交で中国の圧力をはねのけているという、きわめて対照的な世界の構図が見えてくるのです。
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