【書評】男版ビリギャル。バカヤンキーが米名門大に入れたワケ

 

この本には色んなメッセージを込めたが、そのひとつが「あとがき」にある、と個人サイトで公開している。「これから先も、ぼくは己の道を突き進むつもりです。そして誰とも違う、ユニークな存在になりたい。そうすれば、まわりと協力しながら上手くいくでしょう」って、日本ではかなりビミョーだよ

留学一週間前、父親に「somethingってどーゆー意味だっけ?」と訊く英語力だった。形容詞って何だ? という頭である。コミカレでの壮絶ともいえる日々は非常に興味深い。一日10~14時間の猛勉強。起きている時間のほとんどは授業を受けているか、一人黙々とパソコンか本に向かっている元ヤンキー。

読み所はUCバークレーに提出する願書の課題、パーソナルステイトメントだ。素質や才能など自分をアピールする文章で、最後に「願書では説明しきれなかった、わたしたちに知ってもらいたいことがもしあれば」という問いかけだ。なぜUCバークレーで学びたいのか、偽りなく書く。この文章は見事である。

コミカレで、UCバークレーで、ものすごい猛勉強をしないとついて行けない中での努力は凄絶だ。勉強は積み重ねが必要な長距離走だ。本質的な人の能力はさほど変わらない。努力すれば追いつける。彼は声を大にして言う。「地頭なんて錯覚だ!」。彼が得た最高のものは永遠のモチベーション情熱だった。

UCバークレーに関心のある人には、おすすめしたい本だ。それにしても、この本の作りは残念である。金髪のチャラい男子のビジュアルを、筆者だと思うのが普通だろう。7枚の写真は鈴木琢也ではなくてモデル・俳優の横浜流星である。どうしてこんなバカなことやるんだろう。鈴木琢也もよくOK出したな。

この表紙や章の頭に使われているポートレートを見て、UCバークレーの有効な案内となる、かなりリアリティのある内容を想像するのは不可能だ。知り合いの女子高生に見せたら、わっキモー、やだこれ、と言う。わたしは言いたい。「地頭って本当だ!」。身も蓋もないが「遺伝お金」を抜きに語れない。

「バカヤンキーでもお金がたくさんあって死ぬ気でやれば世界の名門大学に入れるかもしれない。」というのが正しいタイトルです。

編集長 柴田忠男

image by: David Litman / Shutterstock.com

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