聖徳太子が建てた華道の聖地。京都のおへそ「六角堂」を往く

 

生け花発祥の地

生け花には様々な流派がありますが、最も歴史の古い流派なのが池坊です。池坊は六角堂の住職兼、家元を務め、現在まで40代以上続く華道家の家柄です。本坊は聖徳太子が沐浴した池のかたわらに建てたことから池坊」と呼ばれるようになりました。

六角堂では、本尊の如意輪観音像に花を供えることは修行の一部でした。室町時代中期、六角堂で修業をしていた池坊専慶(せんけい)の立花が好評を得ました。後に専慶は立花を体系立て、生け花は全国的に知られるようになりました。華道に興味のある方は是非この華道の聖地とも言える場所を訪れてみて下さい。六角堂では一年中生け花の行事が開催されていますし、毎年11月には花供養が行われます。また、六角堂に隣接する池坊会館は春と秋の華道展期間以外は見学可能なのでこちらも是非足を運んでみて下さい。

見どころ

本堂は、眼・耳・鼻・舌・身・意の6つから生まれる欲を断つという願いから、六角形に造られています。本尊の如意輪観音坐像は絶対秘仏のため、「お前立」と呼ばれる同じ形をした仏像を厨子(ずし)の前に安置させています。

境内の「へそ石」は、山門をくぐってすぐの場所にある六角形の石です。平安京を建設する時にお堂が街路にかかってしまっていました。そんな時に桓武天皇が祈ったところ、六角堂が北へ15メートル動いたという伝説があります。この時に一つだけ残った礎石がこの石だということです。江戸時代までは六角通りにあったそうで、明治時代になってから境内に移されたと伝わります。六角堂は京都のほぼ中心に位置することから、この石をへそ石と呼ぶようになったそうです。

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