崖っぷちのトランプに辞められたら困る「3つの勢力」

 

サウジアラビアを味方にするトランプ

この話には、もう一つの「参加者」がいます。そう、アメリカから大量に武器を買うことを決めたサウジアラビア。実をいうと、サウジアラビアは、「オバマに冷遇された国」でした。なぜ? 主な理由は、アメリカで起こった「革命」。何でしょう?

ブッシュ(子)の時代、アメリカは、資源たっぷりの中東を非常に重視していました。なぜ? 「アメリカ国内の石油は、2016年に枯渇する」と予測されていたから。

ところがオバマの時代、アメリカで「シェール革命」が進展していきます。結果、アメリカは、いつの間にかサウジ、ロシアに並ぶ「エネルギー超大国」になってしまった。2016年には、40年ぶりに「原油輸出」が再開されています。つまり、「シェール革命のおかげで、アメリカには石油もガスもたっぷりある」「だから、サウジとの関係はそれほど重要ではない」。これが、オバマの態度でした。

2016年1月、世界を仰天させた事件が起こります。サウジアラビア(=スンニ派)が、シーア派の指導者ニムル師を処刑した。これに激怒したシーア派イランの群衆は、テヘランのサウジ大使館を襲撃します。サウジアラビアはイランとの国交断絶」を宣言。軍事衝突に発展する可能性がでてきた。この時、オバマ・アメリカは、どんな態度だったのか?2016年1月6日付、読売新聞から。

米国務省のカービー報道官は4日の記者会見で「我々はこの問題の仲介者になろうとしているかと問われれば、答えはノーだ」と述べた。

つまり、「アメリカはサウジを守らない」と宣言した。それどころかアメリカは、サウジと対立するイラン制裁を解除してしまいます。オバマ時代アメリカとサウジの関係は最悪になっていた。だから、サウジは、トランプを大歓迎したのです。CNN.co.jp 5月21日。

サウジの首都リヤドの空港では、大統領専用機から降り立ったトランプ氏とメラニア夫人をサルマン国王らが出迎えた。空港からの通り沿いにはトランプ氏と国王の大きな看板が並び、滞在先のホテルの外壁にも同氏の顔が大きく映し出されるなど、現地は歓迎ムード一色だ。トランプ氏とサルマン国王はにこやかに会話を交わした後、ともに車でリヤド市街へ移動。宮殿では国王がトランプ氏に同国最高の栄誉とされるメダルを贈呈した。

「国王がトランプ氏に同国最高の栄誉とされるメダルを贈呈した」そうです。

サウジアラビア。これが、トランプ第二の味方

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