「サイバーテロで人が死ぬ」ということを理解できない日本の惨状

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5月に世界中を騒がせた「大規模サイバーアタック」。アメリカの情報セキュリティー会社「シマンテック」は、北朝鮮のハッカー集団が関わっているとの見方を示しました。今回の無料メルマガ『マスコミでは言えないこと』では、著者で月刊正論「ネットバスターズ」を連載中のITジャーナリスト宮脇睦(みやわき・あつし)さんが、ネット犯罪を防ぐことの重要性と、サイバーアタックに対して具体的な対策をとらない日本の現状に苦言を呈しています。

北朝鮮の関与が疑われるサイバーアタック。規制の声が挙がらぬ理由

世界規模でのサイバーアタックに大騒ぎ。そもそもウィルスは米国が開発していたもので、ハッキングにより盗まれ、売りに出されていたものの、買い手が付かず、ならば使ってしまえと。いうなれば開発したバイオ兵器が盗まれ、売りに出され、買い手が付かずにやけになり拡散されたバイオハザード。

米国がウィルスを開発していたということ。まぁ、いまさら何いっているんだという話しですが、国家がそれをして、しかも技術開発的なオープンさではなく、隠し持っていた、つまりは人知れずという目的があったということで、なぜ人知れずなのかといえば、いつかは使う、あるいは既に使っていた、ということです。

実際には2010年にスタクスネット(Stuxnet)と呼ばれるワームが実戦投入され、イランの核開発施設を破壊しています。ちなみにワームをウィキペディアでひくと

ワームとは、独立したプログラムであり、自身を複製して他のシステムに拡散する性質を持ったマルウェアである。

宿主となるファイルを必要としない点で、狭義のコンピュータウイルスとは区別される。

とあり、イメージとしてはワームがミミズで、ウィルスがサナダムシといったところでしょうか。

いずれにせよ、国家を上げてサイバー空間における武器やトラップを米国は開発しているという証拠が明らかになったと、本件を理解することができます。

そして、ネット空間における「バイオ兵器」と同じものを、今後、世界がどう取り扱うかを議論すべき好機なのですが、その気配がないところが、実にリアルで不気味な外交の現実を垣間見ることができる、という話し。

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