世界のアメリカ離れが加速。中国からもナメられ始めたトランプ外交

tsuda20170529
 

いわゆる「ロシアゲート」疑惑で、じわじわと追い詰められつつあるトランプ大統領。G7でも強気の姿勢は相変わらずでしたが、そのちぐはぐな外交や内政に対して国内外から上げられる非難の声は高まるばかりです。日本はこのまま米国追従の姿勢を取り続けていいものなのでしょうか。メルマガ『国際戦略コラム有料版』の著者・津田慶治さんは、トランプとその娘婿にして大統領上級顧問を務めるクシュナー両氏の「為政者としての規範のなさ」が同盟国・日本を含めた世界を混乱に陥れる原因だとした上で、トランプ大統領弾劾の可能性とその時期、さらに「第2次朝鮮戦争」の可能性にまで踏み込んだ分析を行っています。

トランプ政権の今後と世界

トランプ弾劾の方向で進んでいるが、その弾劾で世界はどうなるのであろうか? 検討しよう。

トランプ大統領の外交・内政がおかしい

トランプ政権には、外交専門家がほとんどいないことで、中東政策がおかしい。イスラエル寄りは仕方がないが、イラン敵視政策はいかがなものなのか。IS撲滅の先頭に立っているのは、イラン革命防衛隊であり、シリアの正常化にもイラン軍が強力にサポートしている。

そして、米国は、そのシリアのアサド政権の支配を認める方向であり、クルド勢力もIS打倒のために、武器を援助している。米国が中東から撤退の方向と思いきや、イスラエルとサウジアラビアを訪問したトランプ大統領は、イラン包囲網の形成に関与して米国も応分の役割を務める方向になった。今までの米国は石油支配という目的で中東政策を行ってきたが、シェール革命で、中東の石油支配という目的は必要なくなった。

このため、全体の中東戦略はどのようなものか、どうにもわからない状態である。全体の戦略がなく、その場その場をつないでいるだけの外交政策に疑問符が浮かぶ。

G7サミットやNATO会議でも、保護主義を主張し、欧州の応分の負担を求め、欧州、特にドイツにつらく当たっている。そして、ロシアには機密情報を漏らし中国からクシュナー氏に多額の賄賂が送られて篭絡されて、アジアでの中国の行動を抑制しないことで、東南アジア諸国、特に反中国であったフィリピンとベトナムが中国寄りにシフトしている。東シナ海で中国の圧力を感じる日本にとっても、非常に気になる外交姿勢である。

また、米国第一主義の保護主義で世界経済の縮小が起こりかねず、民主主義国家群の欧州や日本にも将来的に大きな痛みを伴うことになる。

このため、ドイツのメルケル首相は、離米の方向を打ち出してEU統合軍にシフトして、NATO軍を縮小する方向に向かい始めている。

日本にとっても、クシュナー上級顧問の中国からの賄賂で、中国寄りな政策をすることが目に余る状態になっている。

このため、一層の北朝鮮に対する制裁の強化に中国はクシュナー氏に賄賂を贈った見返りとして、これ以上の協力しないと宣言したようである。そして、韓国は北朝鮮との対話政策にシフトして、民間団体の北朝鮮訪問を認めている。THAADの配備も見直すことになりそうである。米国の思惑とは違う動きが出てきた。

米国は、技術者就労ビザ「H-1B」の申請件数を大幅に絞るというし、科学技術予算を大幅縮小するというし、移民をさせない方向であり、米国の経済力や科学技術力の衰退が将来的に予測できることになる。また、オバマケアの予算も減らして貧困者を窮地に追いやり、農業の補助金を止めて、大幅減税を行い富裕層を優遇して貧富の差を拡大することになる。このことで中産階級を一層つぶすようだ。

このため、中国、韓国、ロシア、東南アジア諸国、欧州も米国の衰退を予測し始めている。特にトランプ大統領の弾劾が進むと予想して、米国抜きの政策を推し進めることになる。離米反米が力を持つことになる。

print
いま読まれてます

  • 世界のアメリカ離れが加速。中国からもナメられ始めたトランプ外交
    この記事が気に入ったら
    いいね!しよう
    MAG2 NEWSの最新情報をお届け