今週、中国の北京(Beijing)で習近平(Xi Jinping)国家主席や李克強(Li Keqiang)首相と会談したドゥテルテ大統領は、警告されたことを公にするのは、中国に対して弱腰だとフィリピン国内で批判されているからだと述べた。
ドゥテルテ大統領は、これまでは伝えられなかった南シナ海での天然資源開発の計画を明かしながら、会談の内容について「彼らに面と向かって言った。そこ(南シナ海)はわが国のもので、われわれはそこで石油採掘を行うつもりだ」と表明したと述べた。
これに対し習国家主席と李首相はドゥテルテ大統領に「私たちは友人だ。あなたと争いたくはない。今の温かい関係を維持したい。しかし、あなたが対決を迫るというのなら、われわれは戦争に突入するだろう」と述べたという。
(同上)
これが、中国流「問題解決のため当事国と直接協議をしている」です。ちなみに、2016年7月、常設仲裁裁判所(PCA)は、南シナ海をめぐる中国の主張には「法的根拠がない」と判断しています。習近平は即座に、「裁判所の判決には従わない!」と宣言しました。
仲裁判断、中国外交に大打撃 習主席「一切受け入れない」
AFP=時事 2016年7月13日(水)10時7分配信
【AFP=時事】オランダ・ハーグ(Hague)にある常設仲裁裁判所(PCA)が南シナ海(South China Sea)をめぐる中国の主張には法的根拠がないとの判断を示したことについて、中国の習近平(Xi Jinping)国家主席は、一帯の島々は古来より中国の領土だとして、政府は今回の判断に基づくいかなる行動も受け入れないと述べた。国営の新華社(Xinhua)通信が伝えた。
というわけで、中国の「当事国で協議している」は、「相手国を脅迫している」と同じ意味。挑発する必要はまったくありませんが、欧米の指導者たちに、「中国はこんなことをしていますよ」と事実を伝えておくことは大事です。
繰り返しますが、欧州の指導者たちは、東シナ海、南シナ海問題に興味がない。「中国」という言葉を聞くと、まず「金儲け」という単語が浮かんでくる。それでも、欧州が「金儲け」を「犠牲にする」こともあります。たとえば、「ロシア制裁」は、欧州もロシアも損をしている。それでも「継続中」ですね。
「東シナ海、南シナ海問題で、中国は間違っている」
こういう認識を、日欧米が共有しておくことは、とても大事です。