なぜトランプは、「パリ協定離脱」を決めたの?
トランプさんは6月1日、「パリ協定離脱」を宣言しました。なぜ? トランプさんは1日、こんなことを言いました。
私が選挙で選ばれたのは、ピッツバーグの市民を代表するためです。パリではありません。パリ協定は、ワシントンがまたしても、アメリカに不利な協定に参加した最新の例にすぎません。受け入れがたい法的リスクを押しつけ、われわれを世界の他国に対して、決定的に不利な状態に追いこみます。
われわれは、他国の指導者や国に、これ以上笑われたくない。これでもう笑わないはずだ。もう笑わない。
今こそパリ協定を離脱すべき時だ。そして、新しい合意を追求すべきだ。環境とわれわれの企業を守り、われわれの市民とこの国を守る、新しい合意を
だそうです。そもそもトランプさんは、「地球温暖化問題」を「でっちあげだ!」と語っています。そして、「パリ協定離脱」は、「公約」の一つでもあった。「有言実行」したわけですが、だからといって、それがアメリカとトランプさんにとって、「いい結果」になるとは限りません。
世界がトランプを非難
「地球温暖化問題」の「真偽」について、素人の私があれこれ言うのはやめましょう。ここでは、「世界の反応」を見てみます。
大統領になったばかりのフランス・マクロン大統領は、この件でテレビ演説しました。曰く「判断は尊重するが、とても残念だ。地球の将来にとって間違いをおかした」。厳しいですね。
そして、若いマクロンさんは、トランプさんに、こんな強烈な皮肉を言いました。「地球を再び偉大にする!」。トランプさんは、「アメリカを再び偉大にする!」です。しかし、マクロンさんは、「地球を再び偉大にする!」。大衆は、こういうパフォーマンスを喜ぶものです。
EUのユンケル欧州委員長は、トランプの「パリ協定離脱宣言」について、「重大な誤りだ!」とツイートしました。ドイツのメルケル首相、フランスのマクロン大統領、イタリアのジェンティローニ首相は1日、「アメリカの決断を残念に思う」との共同声明を出しました。3首脳は、トランプの求める「再交渉」を拒否するそうです。国連のドゥジャリク事務総長報道官は離脱発表は「大きな失望」とする声明を発表しました。
ロシアのリャプコフ外務次官は、パリ協定が「米国を含まない一部の国だけ優先しているというのは間違い」だと語りました。インドのモディ首相は2日、「気候変動に関してインドは責任ある国家だ」と語り、パリ協定を順守する意向をしめしました。
アメリカ経済界からも、トランプの決定に反対する声があがっています。BBCニュース6月2日から。
米経済界も声高に、協定残留を求めていた。グーグル、アップル、化石燃料メーカーのエクソンモービルなど、何百もの企業が大統領に協定に残るよう要請していた。エクソンモービルのダレン・ウッズ最高経営責任者は自ら大統領に手紙を送り、米国は協定に参加したままでも「十分に競争できる」し、協定に残れば「公平なルール確保のために話し合いの場に参加できる」と力説した。
まさに世界中がトランプさんを批判し、彼はますます孤立しています。