それにより、アップルから「WWDCに来ませんか」というお誘いを受けたのだが、当初は、マーちゃんはその誘いを断っていたという。なぜなら、6月11日からロシアに旅行をすることになっていたのだ。
丁重にお断りすると、アップル側は大慌て。確かに、WWDCに誘われて、断る開発者はあまりいないだろう。
するとアップル側はマーちゃんに対して「シーイーオーがどうしてもマーちゃんに会いたいと言っている」と伝えて来たという。マーちゃんは「シーイーオーって誰?」と思ったそうだが、よくよく考えると「CEOのティム・クック」だったことが判明。そこで、WWDC行きを決断したとのことだ。
しかし、それによって、マーちゃんのスケジュールは、6月9日にサンノゼを出発し、10日に成田着。成田で一泊して、翌日にロシアに発つスケジュールとなってしまった。
ちなみに、ロシア旅行はマーちゃんの86歳の兄に付き添うためなんだという。
サンノゼ滞在中は、各国のメディアから取材攻勢にあっていたようだ。日本のテレビ局からも取材依頼があり、なかには現地時間夜22時から対応したものもあった。
マーちゃんは「日本のテレビ局から取材依頼があったので、Facetimeで対応しようとしたら、テレビ局のスタッフはFacetimeの使い方を知らなかった。テレビ局の若いスタッフは意外と機械音痴なのね」と不思議がっていた。マーちゃんもアプリを作ることによって、これほど世界が変わるとは思っていなかったようだ。
マーちゃんから発せられる言葉の数々が、82歳とは思えない内容で本当に驚かされた。なかなかこんなに年齢を感じさせない82歳はいないだろう。マーちゃんとお話しすると元気をもらえる気になるから不思議だ。自分もいまからアプリを作ってみようかな、という気持ちになってきた。
今回の取材でマーちゃんに出会えたことが一番の収穫だったかも知れない。