これでもいじめは隠蔽される。探偵が暴露した、学校のウソ報告書

 

初期に学校が提出した報告書

Y教諭は午前7時に出勤したとこの報告書にはある。各点検をするのが仕事であり、その後は所定の場所にいたとある。このY教諭の証言はのちに重大な意味を持つ

T教諭は午前7時に出勤し、45分まで靴箱には行っていないとある。
G教諭とM教諭は下駄箱側の教室のクラスを担当しているが45分まで下駄箱には行っていないとある。
O教諭は、7時30分出勤とあり、詳細は書かれていない。

つまり、学校ではいわゆる犯行時間に校舎にいた教職員を容疑者としたのであり、そのほかの可能性については、この段階では考慮していなかったことになる。

特に度重なるいじめ対策の不作為や被害者の神経を逆撫でするような対応の他、担任教員による誤った見解や間違った指導の実施などにより、学校と被害保護者の関係は悪化していたと言わざるを得ない状況であり、特に、報告書にあるT教諭やO教諭は、いじめの指導を著しく誤る(いじめられる側に原因があるという指導、被害者側に謝罪をさせていじめをなくそうという考え)などから、いじめ対応の担当から外されるなどしていたから、被害保護者との関係性は悪かった

この関係悪化や両教諭がやったかもしれないという疑念は、その実、職員室内でも、そう考えるものが多かった事実から、特に「教職員による犯行」であろうと考えやすかった状況であったのである。

私も色々と内偵を進める中、特にO教諭の動きについての報告が明瞭ではなく、学校長も副校長も口を濁すので、何か隠されているのではないかと考えたが、校舎の形状から考えて女児の下駄箱まで行くには無理があった。

後の話し合いによって判明した事実

初期に提出された学校側の報告書にはいくつもの瑕疵があった。

例えば、O教諭については7時30分に出勤とのみあって、それ以外の言及はなかったが、学校はすぐに行った聞き取りによって、詳細な動きを学校側は把握していたことになった。被害女児がすれ違ったという証言をしたこととも符合し、犯行を行うにはあまりに時間がタイト過ぎるということがわかった。もちろん、校舎内を走り回れば話は別なのだが、そんなことをすれば、他の教員からの証言に出そうなものである。

また、 当初の疑いが教職員に向いていたのにもかかわらず、学校長は翌日の11月11日に所轄警察に相談をしている。 初動捜査の観点からすれば、この段階で唯一の証拠物である「上履き」は様々な教員が触れてしまっている状態であり、指紋鑑定などはそもそもが絶望的状況であろう。

学校は治外法権ではないのだから、教育活動の一環とはならない前提があった以上、すぐの通報をしなかったことは、事態の究明を暗に妨害したという結果になる。

print
いま読まれてます

  • これでもいじめは隠蔽される。探偵が暴露した、学校のウソ報告書
    この記事が気に入ったら
    いいね!しよう
    MAG2 NEWSの最新情報をお届け