トランプ、ここまでか。側近の裏切りで「弾劾」へのカウントダウン

 

まず、昨年の大統領選で勝利した前後に、セッションズ氏自身がロシア外交官と接触したという問題があります。その接触について、大統領や副大統領に報告せずにいたという問題、それからロシア側とは一体どんな会話をしたのかということに関して追及があると思います。

もしかしたら、捜査対象となっているので喋れないというような逃げを打つかもしれませんが、それならそれで、現職の司法長官が捜査対象になっているということが明らかになるわけですし、また自分以外の何者かが捜査対象になっているということについて、具体的に明らかになればそれはそれで重要な進展になります。

注目されるのは、FBIのコミー長官を解雇した経緯です。セッションズ司法長官は、本来であれば本件の所轄大臣であるわけですが、自分は「利害相反」だからということで、司法副長官のローゼンスタインに全権を委ね、そのローゼンスタインが「コミー解任の提案書」を大統領に送ったので大統領は解任したということになっています。

そして、コミー前長官は前週の議会証言で「自分が解任された理由はロシア疑惑であると思っている」と証言しています。これに対してホワイトハウスは反発しているわけですが、そもそも仮にロシア疑惑が理由でないのであれば、そして仮にローゼンスタインが書いているように、コミー解任の理由は「ヒラリーのメール問題に関する処理の誤り」であるのなら、セッションズはこの件に関して「利害相反はないはずです。

頭がクラクラするような話ですが、「コミー解任事件」について、セッションズがどう考えているのか、何を言うのかは大変に重要です。その際に、もう一つ重要になるのは、コミーを解任したことが「ロシア疑惑への捜査中止圧力」という「司法妨害に当たるのかという点です。

セッションズは司法長官ですから「私は分かりませんとは言えないはずです。また議会の席で「自分はロシア疑惑の捜査対象なので利害相反があるので、この司法妨害云々ということに関してはコメントできません」ということになれば、それはそれで、そんな人間が司法長官という、日本で言えば法務大臣兼検事総長のような役職に留まっていて良いのかという話になります。

そのセッションズの役職という話では、これも先週にトランプ大統領との間で「辞める辞めないという言い合いになったという報道が出ています。その真相に関しても、何らかのコメントが欲しいところです。

後は、コミー証言に関してトランプが「嘘だ」と言ってしまった中で、コミー側は「もしも録音テープがあれば御の字」だと言っているわけで、本当に録音があれば大変なことになるということがあります。

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