気になる敬語 「ご覧になられていました」
山田部長は事前に先方の資料をご覧になられていました。
上記の文例も前回と同様に、二重敬語になっています。
「見る」の尊敬語は「ご覧になる」。その過去形は「ご覧になっていた」ですが、上記の文例では、それに尊敬の「~られる」を付け加え、「ご覧になられていた」となっています。上記の文例は
山田部長は事前に先方の資料をご覧になっていました。
とするのが適切です。
過去形の文を敬語に変換する際、余分な尊敬語を付け加えて二重敬語にしてしまう傾向があるので注意が必要です。
「資料を見ますか?」の尊敬語は
○:資料をご覧になりますか?
×:資料をご覧になられますか?
過去形の「資料を見ましたか?」の尊敬語は
○:資料をご覧になりましたか?
×:資料をご覧になられましたか?
尊敬の「~られる」を付けると、なんとなく敬語として収まりがよく感じられますが、敬語を重ねて使う方が丁寧というわけではありません。
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