聞いたことあるけど意外と知らない。「中耳炎」ってどんな病気?

2017.06.20
by Mocosuku
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中耳炎という病名を耳にした方は多いかと思います。

しかし実際にどのような病気で、どういった症状が出たら中耳炎を疑うべきか、という点についてまでご存知な方は意外に少ないのではないでしょうか?

そこで今回は、中耳炎という病気について取り上げます。

中耳炎とは「鼓膜の奥の部分に炎症が起こっている状態」

中耳炎とは、鼓膜の奥にある「中耳」と呼ばれる部分に炎症が起こることで発症する病気です。

中耳炎には大きくわけて3つの中耳炎があります。

急性中耳炎

風邪の菌やウイルスが原因となり発症する中耳炎で、突然起こる耳の痛みが特徴的な病気です。

特に乳児から就学前という、耳の形成が未発達な子供に多くみられますが、大人でも繰り返し風邪をひくことで中耳部分に炎症を起こし、発症することがあります。

慢性中耳炎

中耳部分の炎症が改善せずに慢性化してしまい、常に膿がたまってしまうことで鼓膜に穴が開いてしまう病気です。

主な症状としては難聴があげられ、急性中耳炎とは違い耳の痛みを伴わないことが特徴となっています。

急性中耳炎とは違い主に大人に見られる症状となっており、難治性の難聴、耳鳴りやめまいの原因となることもあります。

滲出性中耳炎

中耳と鼻を結ぶ「耳管」と呼ばれる部分になんらかの異常が起きることで、滲出液が中耳部分を満たしてしまい、炎症を起こしている状態です。

主に中耳部分が未発達である3~10歳頃、および機能が低下している高齢者に多くみられる中耳炎です。

症状としては、難聴や耳の閉塞感等があげられます。

乳幼児の鼻水&発熱は要注意!

中耳炎について、特に注意しなくてはいけないのが乳幼児です。

乳幼児はまだ相手に自分の症状を伝えることができないため、耳の痛みについて訴えることができません。

そのため、親が気付いた時には症状が進行し、重症化してしまっているというケースも少なくありません。

鼻水が急激に増えた、熱がなかなか下がらない、最近機嫌が悪い、耳を頻回に触るなどが見られたら、中耳炎を疑ってみることをお勧めします。

風邪=すぐに小児科や内科、ではなく、耳鼻科受診への検討を

風邪症状が出ている場合、多くの方はまず内科、子供の場合は小児科を受診されるかと思います。

しかし、風邪の主症状が鼻水や発熱の場合は、内科の他に耳鼻科受診を検討されることをお勧めします。

耳鼻科では小児科ではできない鼻水なども吸引でき、症状の早期改善が期待できます。

特に中耳炎は早期に治療を開始することで、治りも早くなりますが、乳幼児の場合は一度中耳炎となってしまうと、治るまでに数か月かかってしまいます。

急性中耳炎が進行してしまうと、薬や吸引処置でも改善せず、鼓膜を切って中の膿を出す鼓膜切開をしなくてはいけなくなってしまいます。

風邪症状の中でも特に鼻水、咳、発熱が主症状の場合には、内科や小児科ではなく、まず耳鼻科を受診し、処置を受けることをぜひ検討してみてください。

最後に…

私自身、乳幼児の子供が中耳炎をこじらせてしまい、数か月にわたって耳鼻科へ通院するという経験をしました。

まだ小さい子供が鼓膜切開処置を受ける姿は、親として見ていてとても辛いものがあります。

一人でも多くの方に中耳炎という病気を知っていただき、私のような思いをされる親御さんが一人でも減るよう、願っております。

執筆:山村 真子(看護師・西東京糖尿病療養指導士)

 

<執筆者プロフィール>
山村 真子(やまむら・まこ)
看護師・西東京糖尿病療養指導士、一児&犬二匹の母親兼主婦。現在は医療系ライターとして執筆活動中

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記事提供:Mocosuku(もこすく)

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