プライベートでも仕事でも、雑談で何を話したらいいのか悩む人も多いはず。特に、仕事を円滑に進めるためには、普段からの「雑談力」がものを言うのではないでしょうか? 話題の本『誰とでも15分以上 会話がとぎれない話し方66のルール』(すばる舎)の著者、野口敏さんは自身のメルマガ『野口敏の会話がとぎれても大丈夫』の中で、仕事を円滑に進めるための雑談の話題の選び方についてわかりやすく説明しています。
はずむ話題。仕事の出来る人の目のつけどころ
世の中には楽しい話をいっぱい持っている人もいれば、「話題がない」と嘆く人もいます。その違いを別けているものは何なのか。それは「心のつぶやき」をキャッチする力だと私は考えています。心のささやかな動きを捕まえることができれば、そしてそれを言葉にして外に押し出すことができれば、話題はいくらでも見つかるのです。
しかも飛び切り楽しい話が。
誰だって
「ああ悔しい」
「ああ損をした」
「プライド傷つくなあ」
「やっぱりイケメンの方がいい」
「何であんなことを言ったんだ」
と思うことがあるはず。それをまず捕まえるのが大事。「自分はこんなことを考えているのか」と見つけられたら楽しい話のはじまりはじまり。
私たちの心は実は饒舌。毎瞬毎瞬、色々なことを密かにつぶやいています。
「たこ焼き15個入りか。二人で食べたら1個余るな。食べたいなー、最後の1個」
私たちはそんな小さくてセコイことをいつも考えているのです。
子供の頃は自分の思いをほぼ把握できています。でも人は大人になるに従って、たしなみというものを身に付けます。
「そんな卑しいことを思うものではありません」
「人に知られたら評価が下がります」
「おかしな人と思われますよ」
自分をこんなふうに抑制するクセがついているのです。このたしなみが、私たちから思うという自由を奪って行きます。そしていつしか、自分が思っていることに無頓着になって行くのです。
「もう自分は何も思ってはいない」
とまで思うようになってしまいます。
でも人は決して思うのをやめたわけではありません。無意識の世界では、私たちは今でも恥ずかしいこと、恐るべきこと、不埒なことをしゃべり続けています。
楽しい話題の持ち主になりたければ、過去に嵌めた心のフタを開けることです。人を傷つけることや、おぞましい気持ちにさせること以外なら、大抵は何をしゃべっても大丈夫。
会ったばかりの人とすぐに仲良くなれる人は、この辺りの話題のチョイスが優れています。誰もが感じるちょっとした所に気づけるのです。
「家内と結婚した頃は、仕事から帰ると玄関まで出迎えに来てくれたけど、今じゃ私が帰っても玄関の明かりすら消されているからね」
こんな話をしてもらえたら、
「ああ、うちもそうです。この間なんか鍵が勝手に付け替えられていました。わはは」
などと教えてくれる人まで現れます。こうなれば会ったばかりでも気持ちが通じた気になります。
仕事上の付き合いでも、ものが言いやすくて気兼ねがいらなくなる。ものが頼みやすくなり、ダメ出しだってしやすい。
こうなると二人で2の力が、3にも4にもなってしまう。人は気心が通じ協力することで、仕事のパワーが増すのです。
自分の心のつぶやきを捕まえて言葉にする。これが出来るようになれば、楽しい話題だけでなく愉快な仲間たちまでが手に入りますよ。
(メルマガ『野口敏の会話がとぎれても大丈夫』からの抜粋です。このほか、盛り上がるネタや著作からの抜粋などをサンプルページで読むことができます。)