日本も他人事ではない。「ドーハの悲劇」カタールに迫る動乱の嵐

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中東で続く紛争や、後を絶たないイスラム国などテロリストによる事件。ジャーナリストの安田純平さんがシリアで拘束されるなど、日本人にとっても他人事ではない事態となっています。今回の無料メルマガ『ジャーナリスト嶌信彦「時代を読む」』では著者の嶌信彦さんが、混迷する中東・湾岸地域の情勢について、石油を巡る問題を中心に考察しています。

カタールの嵐

中東・湾岸地域の情勢は、ちょっと目を離すと複雑化、混迷化し、わけがわからなくなる。最近の注目はカタールだ。

カタールはアラビア半島東部に位置しサウジアラビアからアラビア湾に突き出ている秋田県並みの面積を持つ小国。日本人には1993年のサッカー・ワールドカップアジア予選で、勝てばW杯初出場が決まるイラク戦で時間切れ寸前にゴールされた「カタール・ドーハの悲劇」が今も語り継がれている。天然ガスの確認埋蔵量では世界3位日本のLNGガス輸入相手国としても3位の親日国だ。アラビア語圏では大きな影響力を持つ放送局アルジャジーラの本社があることでも有名だ。

そのカタールが6月、サウジアラビア、バーレーン、アラブ首長国連邦など湾岸3ヵ国とエジプト、イエメン、モルディブなどイスラム圏計6ヵ国から断交を宣言された。6ヵ国はカタールによるテロリストへの支援やイランとの友好関係を理由にあげており、特にイスラム主義組織「ムスリム同胞団」やイスラム国を支援していると批判しているようだ。

カタールはアラビア湾を隔ててイランの真向かいに位置し、安全保障の上からイランと友好関係を保ちたい事情があるとみられるが、現在イランとサウジアラビアは断交状態にありカタールは板ばさみ状態に陥っているのだ。

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