ティファニーが凋落へ。失墜したブランド価値は再び輝くのか?

 

貴族という特権階級が格付けとして存在しないアメリカで、ハリーウィンストンはダイヤモンドの質にこだわり、芸術品を生み出すことでラグジュアリーブランドの仲間入りを果たしたのです。かたや、ティファニーは、フランス出身のジュエリーデザイナー「ジーン・シュランバーゼー」が、鳥や魚など自然からインスピレーションを得たデザインを発表することでハリウッドセレブの支持を勝ち取り、同じくラグジュアリーブランドの仲間入りを果たしました。

その後、ティファニーは「妥協しない美と気品への追及」を軸に、比較的手が届く価格のシルバージュエリーから高価なハイジュエリー、文具、食器と取り扱う商品を拡大し、ライフスタイルこと)を訴求します。一方、ハリーウィンストンは究極のクオリティとデザインの追及を軸に、ジュエリーと時計(モノ)に絞って商品展開していきました。

ティファニーは、白いリボンとブルーの箱にイメージされる「こと」によって、(ジュエリーを軸に)ティファニーが扱う商品がファッションになるよう仕掛け、ハリーウィンストンは、こだわる「モノ」の良さによってラグジュアリー感を各個人が商品から味わえるようにしました。

デザインで他と一線を画したティファニーは、パロマ・ピカソやフランチェスカ・アムフィテアトロフという才能あるデザイナーを次々と起用し、ファッション(流行)の旋風を起こしました。それによって拡大した商品群は、ファッションフリークによって熱狂的に支持されたのですが、ファッションブランドとなった同社の商品は、ブームが去ると同時に消費者から支持されなくなったのです。

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