いつも苦手に感じている「あの人」のこと。しかし、いま一度振り返ってみると、その理由は「無意識に」いうことが多いようです。あなたの「意識」を支配している「無意識」をコントロールできれば、苦手な相手に接する態度も変えることができるのかもしれません。今回の無料メルマガ『人間をとことん考える(人間論)』では、著者で薬剤師でもある小原一将さんが、この「無意識」について分析・考察しています。
「無意識」にあるものを「意識」に置いてみることとは
今、読んでいる本に「無意識」と「意識」のことについて書かれている。まだ全てを読んだわけではないが「意思の力」を養うための方法が書かれており、無意識を意識することによって自分をコントロールし、意思の力を強めようという内容である。
たしかにこれは正しいように思う。人間が意識的に行っていることは実は少なくて、無意識に行っていることの方が多いだろう。それを少しずつ意識することによってそれまでに気付かなかった周りのものや自分を見つけることができ、さらなる成長につながるはずだ。
例えば、職場のあの人が嫌いと思ってもなぜ嫌いなのかを論理的に説明できる人は意外と多くないのではないだろうか。周りが嫌っているからとか、見た目や雰囲気といった短絡的な要素で嫌いになっていることもある。
試しに自分の嫌いな人を思い浮かべて、なぜ嫌いなのかをその人のことを全く知らない人に説明する場面を想像してもらいたい。果たしてその相手もその人のことを自分と同じくらい嫌いになってもらえるだろうか?
どのように説明するかということを考えることは、「あの人を嫌い」という事象を「意識」に置くことになる。そうすると、その人へのあなたの態度が明日から変わる可能性がある。
こういったことを考えていると、この「無意識」から「意識」というプロセスはこのメルマガのテーマである「考える」ということに他ならないのではないかと思った。無意識の判断や意識せずに目の前を通り過ぎているようなものを目の前に置いて思考することをテーマとしている。
つまり私がとりあげているテーマは、いつも「無意識」の領域に置かれることが多いものを「意識」して検討してみようとしていたのだ。