安売りすれば一時的にお客さんは集まってきますが、確実に企業の体力も奪われていくのは自明の理。特に小売業にとって、価格競争ほど辛い戦いはありません。そんな値引き商戦に参戦せずとも売上を確保できる方法はあるのでしょうか。無料メルマガ『がんばれスポーツショップ。業績向上、100のツボ!』では著者で現役コンサルタントの梅本泰則さんが、定価の付かない「技術」や「ソフト」を武器にした、「商品を定価で売ってもお客様がついてくる戦術」を紹介しています。
値引き競争を避ける方法
小売店さんに向けてセミナーをしますと、よくこんな質問をされます。
「値引きをして売りたくはないのですが、周りの店が値引きをされるのでどうしても値引きをせざるをえません。どうしたらいいでしょうか?」
切実な問題ですね。これは、スポーツ業界だけでなくスーパー、家電店、玩具店、ドラッグストアなど多くの業界における問題でしょう。私は、この質問にはこう答えることにしています。
「同じ商品を売っているのなら、お客様は値段の安い方に行くに違いありません。ですから、値引き競争をしないためには同じものを売らないようにすることです」
とはいえ、そう返事をされても、すぐに「そうだ!」と納得されるお店はいません。そりゃあ、そうです。「実際に商売をしてもいないコンサルタントに現場のことが分かるのか? あなたの言っていることは、空論だ」と思っておられるかもしれません。
では、「同じものを売らない」とは、どういうことなのでしょう。それは後ほどお話をすることにして、その前にお聞きします。
値引きをすることは、良いことでしょうか、悪いことでしょうか?