夜勤の睡眠不足は、夜勤をやめる以外に解消法がない過酷な現実

 

今日の極論 夜勤をいつまでも続けるな!

わたしの結論は、「夜勤をいずれ卒業する」である。

夜勤に関係する睡眠問題に、良い方法はほとんどない。社会的な問題であるというしかないのである。しかし、雑誌やネット、テレビでは、こういっては身も蓋もないだろう。

かといって、現代社会は、だれかが夜勤をしなければ回らなくなっている

看護師ならば、若いうちは病棟や救急で過酷な夜勤を経験する。しかしこういった夜勤の経験を経て、クリニックの外来勤務に移る人が多い。主に平日、9時から5時までの勤務なので、体力的にも余裕があり、家族といっしょの時間も過ごせる。

年齢とともに体内時計の調節機構も老化し、シフトワークへの柔軟性はなくなっていく。若い人には申し訳ないが、夜勤は若い人を主力とし、労働時間の遵守をしっかりするという

わたしも若手の頃は平日も週末も当直三昧であったが、30歳を超えた頃からさすがにしんどくなってきた。驚くべきは、老齢でも当直をしている元気な老医師が現実にいるのである。しかし、わたしは自分にはそこまでのタフさはないし、そういう人生は避けたいと思ったのも事実だ。

夜勤でしんどい思いをしている人は、すぐに卒業は無理でも、いずれは夜勤から抜ける人生を歩んでもらいたい。シフトワーク関連の睡眠障害を克服する科学的な術を、まだわたしたちは持っていない。今後も特効策は急には得られないだろう

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精神科医の西多昌規です。一般書やブログ、SNSには書きづらい精神科医療とメンタルヘルスの裏の実情を紹介します。医学研究や医学部教育の問題点にも切り込みます。

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