G20で米国の孤立が決定的に。高城剛が指摘する「衰退」の真の原因

 

現在の米国の問題を、トランプの問題だとするのは簡単ですが、僕は、世界がアメリカ化したので、米国はかつてほど必要ではなくなったことを、問題の本質だとみています。
それにより、米国の「一人当たりの名目GDP」が落ち、なにより相対貧困率が急速に伸びています。
つまり、米国はグローバリゼーションを推し進めた結果、自分の首を絞めることになってしまったのです。

イスラエル、メキシコに続き、世界第三位の貧困率の米国
多くの国々は、もう米国から学ぶものは、ほとんどありません
むしろ、現在の米国は、過度な軍事力で自滅に向かっているように僕には見えます。
ちなみに、相対的貧困率は、OECD指標でイスラエル、メキシコ、トルコ、チリ、アメリカに次ぐ世界第6位が日本です。

その日本で2019年、G20は初開催されます。

今回、所得格差を是正し成長底上げを目指すことを、G20で各国首相が共同宣言いたしましたが、果たしてG20が開催される二年後の日本で、所得格差の是正し成長基調に乗ることができるのか、現状を見ると大きな疑問が残ります。
米国と日本はG20が向かう大きな方向と乖離しており、このままでは残りの国家がG20と違う「日米を除いた主要国会議」を立ち上げてもおかしくありません。
それほど、今後「世界」と「衰退する米国および従属する国家」の分裂が、今回のG20で決定的になったように見えます。

米国ラストベルトは、明日の日本の地方の現実だと、考えずにはいられないのです。

image by:Shutterstock

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