G20で米国の孤立が決定的に。高城剛が指摘する「衰退」の真の原因

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7月7日と8日にドイツのハンブルクで開催された主要国首脳会議(G20)の様子から、世界の勢力図が大きく変わったことを感じ取ったという、メルマガ『高城未来研究所「Future Report」』の著者・高城剛さん。今回のG20について高城さんは、改めて「米国の孤立化が浮き彫りになった」と総括しています。そして、トランプ政権誕生を支持した米国の錆びついた工業地帯「ラストベルト」が、日本の地方の未来と重なると警鐘を鳴らしています。

米ラストベルトは、明日の日本の地方の現実か?

今週は、ドイツで開かれましたG20における米国につきまして、私見たっぷりにお話ししたいと思います。

先週7月7日と8日。
ドイツのハンブルグで主要国首脳会議(G20)が、開催されました。
日本のNHKでは、G7を「先進国首脳会議」と呼び、G20を「先進国に新興国を加えた主要国首脳会議」と読んでいますが、先進国と呼ばれる豊かさの指標「一人当たりの名目GDP」では、残念ながら、日本は世界第22位に甘んじています。
このままでは、すでにシンガポール、香港に抜かれたように、韓国や台湾にも抜かれてしまう可能性が高くあります。
そう考えると、なにをもって先進国と呼ぶのか、そして、その先進国の首脳が集まって討議する意味合いがどれほどのものなのか、と再考する時も遠くないように思うのです。
それが日本同様、今回のG20で決定的になった、米国とその他の国々との分裂です。

以前、このコーナーでもお伝えしましたように、米国は、気候変動への取り組みを決めた「パリ協定」を事実上反故にし、残りの19カ国はパリ協定履行を、今回G20であらためて約束しました。
ドイツのメルケル首相は、パリ協定に対するトランプ氏の立場を「今でも非常に残念に思う」と述べており、開催地ハンブルグではトランプの環境政策に対する大きなデモが湧き上がりました。
また、世界が取り組む自由貿易の推進の観点からも、トランプの意向はG20に反するもので、米国の孤立化があらためて今回浮きぼりになりました。
核に関する取り組みも、米国と日本、その他の国々でも大きく方向性が異なりつつあります。

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