無印良品、利益の半分が海外に。なぜMUJIは世界でバカ売れするのか

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国内はもとより、海外でも業績好調の「無印良品」を運営する良品計画。特に東アジアでの売上は目を見張るものがあり、営業利益の半分を稼いでいます。そんな同社は先日、来年春に「世界旗艦店」を銀座にオープンすることを発表しましたが、「日本の世界旗艦店は非常に重要な存在」とするのは無料メルマガ『店舗経営者の繁盛店講座|小売業・飲食店・サービス業』の著者・佐藤昌司さん。佐藤さんは店舗経営コンサルタントの視点で、日本の世界旗艦店が海外の無印ショップに与える影響について詳述しています。

無印良品、銀座に世界旗艦店。好調な業績に追い風となるのか?

無印良品を運営する良品計画が好調です。

2018年2月期第1四半期(3~5月)決算は、売上高が前年比11.0%増の971億円、本業の儲けを示す営業利益が同3.9%増の118億円となりました。国内ではフレンチリネンシリーズが好調で売り上げを牽引しました。国内の同期末の店舗数は457店となっています。

地域別では東アジア地域が売上高に大きく貢献しています。18年2月期第1四半期の売上高は前年比14.8%増の252億円となりました。中国、台湾、香港、韓国の全地域で増収となりました。東アジア地域の同期末の店舗数は296店となっています。

東アジア地域の存在感が増しています。売上高の構成比は、14年2月期では14.2%に過ぎませんでしたが、15年2月期は21.7%、16年2月期は27.0%、17年2月期は26.9%で拡大傾向を示しています。営業利益の構成比も拡大傾向を示し、14年2月期は16.3%でしたが、15年2月期は35.4%、16年2月期は50.1%、17年2月期は43.0%となっています。東アジア地域だけで営業利益のおよそ半分を稼いでいる状況です。

出店攻勢により東アジアの店舗網が急速に拡大しています。14年2月末時点の店舗数は153店でしたが、15年2月末では189店、16年2月末では227店、17年2月末では279店となっています。特に中国で急拡大していて、17年2月末では前年同期比40店純増の200店となっています。18年2月期には国別では最大となる30店の純増を計画しています。中国市場の重要性はより増していきそうです。

無印良品の店舗数の推移

こうしたなか、良品計画は19年春に東京・銀座で無印良品の「世界旗艦店を開業すると発表しました。読売新聞東京本社と三井不動産が商業とホテルの複合ビルを建設し、良品計画がテナントとして入居します。良品計画はテナントとして全てを借り上げ、地下1階から地上6階の一部に無印良品が出店し、6階から10階には良品計画がコンセプトを提供し、内装デザインを監修するホテル「MUJI HOTEL」が入居します。

良品計画は、全商品を取り揃える大型店を「世界旗艦店」と位置づけています。現在、世界旗艦店は東京・有楽町中国の成都と上海で3店舗を展開しています。

銀座に出店予定の無印良品は店舗面積が1,000坪以上になるとみられ、世界最大規模となる見通しです。有楽町店がなくなる可能性があるため、銀座にできる無印良品は重要な役割を担うことになりそうです。国内店に対する影響はもちろん、海外の店舗に対しても大きな影響を及ぼすでしょう。

有楽町店に関しては、「18年中に契約が満了するため、現在は契約の交渉中」(良品計画広報)といいます。有楽町店の契約継続が難しいため、代わりとなる世界旗艦店を建てる必要があったのでしょう。

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