搬送時すでに死亡は年間59人。現役医師が警告する熱中症の恐怖

熱中症です
 

日本では年間5万人が熱中症で救急搬送され、最悪の場合は重症化や死亡に至っています。今回のメルマガ『ドクター徳田安春の最新健康医学』では、著者で現役医師の徳田先生が、熱中症に関する正しい知識を身につけられるよう、起きやすい場所、病気や服薬などの影響、運動時などの事前予防策、発症時の病院での診療などについて詳しく解説しています。

熱中症のリスクを考える

今年も夏がやってきました。海水浴やプールでの水遊びは子供たちにとっては最高の楽しみですよね。沖縄ではビーチパーティーが子供だけでなく大人にも人気ですね。ビーチサイドでのバーベキューのことです。好きな食材を焼いて食べます。よく冷えたビールやさんぴん茶が合いますね。

そんな楽しい夏ですが、医学的には心配なことがあります。熱中症です。全国で年間約5万人が熱中症で救急搬送されています。このうち搬送時にすでに死亡していたケースは59人、年間約1000人が重症例でした。重症例のうちには入院後、最終的に死亡しているケースもあります。

熱中症にならないようにするためにはどうすればよいでしょうか。何よりもそれは正しい知識を身につけることです。まず、熱中症になりやすい高リスクの人に注意を向けることです。高リスクの人とは、高齢者3歳以下の乳幼児アルコールや薬物依存症の人昼間に屋外での作業をする人、そしてアスリートです。高齢者は口渇感を感じる機能が弱くなっていますので注意すべきです。

活動する場所でも熱中症のリスクは異なります。郊外と比べると都会の方がリスクが高くなります。ヒートアイランド現象が関係しています。スポーツ競技の種類でもリスクは異なります。アメリカンフットボールはヘルメットやジャージ、パッドなどを装着するために熱を保持しやすくなり、熱中症のリスクを高めます。武道では防具を装備するために剣道が高リスクとなります。

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