毎日始業前には会社へ出勤し、サービス残業までしているのに、仕事の効率は一向に上がらない。そんな日々の繰り返しでお疲れのみなさん、思い切って「休暇」をとってみてはいかがでしょうか? メルマガ『採用工学のススメ』の著者で採用コンサルタントの藤原ユウマさんは、「働かない時間」の有益性を説いています。これからは、アリよりキリギリスの時代ですよ。
仕事の質を上げたければ、働くな! 働かない時間が仕事のクオリティを上げる!?
閉塞感漂う日本で働く上での大きな問題点の一つ。それは、過酷な就労状況です。 長時間労働やサービス残業などの働き方は、昔から変わっていませんが、そんな働き方は時代遅れです。今の時代、仕事のクオリティを上げたいならば「働かない」を選ぶことも有益な選択肢かもしれません。
就業時間より1時間も早く出社し、定時が過ぎてもサービス残業に勤しむ。やっと一週間の仕事が終わったと思っても、休日にイレギュラー対応するなんて日常茶飯事。そんな日々を送っている人は多いのではないでしょうか。けれども、こんな時代遅れの働き方は今すぐ捨ててしまうことをオススメします。これからの時代は、仕事をしない時間こそ、あなたの仕事の質を高めてくれる貴重な時間だと思います。日本企業を象徴するような拘束時間の長い働き方は、日本が成長していた過去の時代につくられたものです。
しかしながら、市場が成熟し、これまでとは前提が一変しました。かつて、GDPで世界2位を誇った日本も、数年前に中国に抜かれ、今後はアジアを中心とした他国に追い抜かれてしまう可能性は非常に高いと言えるでしょう。
また、2015年度の1人あたりのGDPで言えば、1位のルクセンブルクに始まり、日本はなんと27位。労働時間が短く、ワークスタイル先進国であるドイツが17位、アジアで見ても25位の香港の後塵を拝するという結果になってしまっています。これらの結果は、長い時間働くことがGDPなどに見る生産性には直結しない時代・環境になったことを如実に示しています。
短い時間でも高い生産性を実現できるようになった現在において、「仕事をしない時間」をつくることが「仕事の質」を上げる可能性は見過ごせないと思います。 「良い成果を出すために、良く休む」という考え方は、薮から棒に否定できないのではないでしょうか。
良く休むということは、短時間で効率的に成果を出すために頭やパワーを使いましょう、という現在のワークスタイルへのアンチテーゼだと感じます。長時間に渡って心身ともに追いつめることが成果に結びつきづらくなっているのならば、いっそのこと胸を張ってしっかり休みましょう。そして、その分アウトプットを出すための方法を工夫・改善することに時間を使ってみましょう。
今の時代、私たちは地図をもらっても目的地にたどり着くことは難しいのではないでしょうか。仕事においても、何をすれば良いかの指示を誰も与えることなどできなくなってきているのです。形が毎日変わる大海原の中で、目的地を変更することだって少なくありません。また、地図には目的地が書いてありますが、目的地が書いてなくても走り出さなければならないことも、私たちには頻繁に訪れるものです。
この不確定な時代に必要なものは、自分たちで目的地を考えながら決めること、そして未開の地を開拓するための判断基準となる「方位磁針」なのではないでしょうか。
そしてその方位磁針は、すでに自分の中にあり、自分で育てていく必要があるものだとも思います。
「自分で考えて、判断する」
その基準を高度な、そして正確なものにするためには、長時間働いてばかりいることは非効率なのかもしれません。
(メルマガ『採用工学のススメ』より一部抜粋、毎月必ず読みたい方はご登録ください。今なら初月無料です)
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