劉さんに負けた習近平
グレイシーさんは、「中国の指導者たちは、劉さんを恐れている」としています。
「私は罪となるようなことを何もしていないが、しかし不満はない」。
劉暁波氏は2009年、法廷でこのように表明した。そしてそれから刑務所で過ごした長い8年の間、民主主義への思いを決して撤回しなかった。中国の指導者たちは、生きる劉氏を恐れたと同じくらい、死してなお、劉氏を恐れている。無理もないことだ。
「死してなお、劉氏を恐れている」。
そうです。なぜ? まず、グレイシーさんは、中国共産党の現状を書いています。
中国共産党はかつては、信念の政党だった。党のために殉教する覚悟の同志は大勢いた。しかし権力を握ってから70年近くたった今の中国共産党は、硬直的でシニカルな権力者だ。
憲法上の権利を求める人を投獄し、投獄した人たちについて国内で話題にすることさえ禁じ、経済力を対外的に駆使して外国政府に沈黙を強いる。習近平国家主席の下、中国はこうした抑圧を熱心に推進し、成功を収めてきた。
中国共産党は、今も昔も「変わらず人権を抑圧してきた」と思うのですが…。それでも、グレイシーさんが中国の現状を正しく認識しているのは、喜ばしいことです。
習近平は「成功を収めてきた」そうです。日本では、「習近平はバカだ!」「習近平はこんな失敗した!」といった話が好まれます。しかし、残念ながら、習近平はうまくやっています。最近の実績をあげれば、
- トランプを懐柔した
- グローバリストたちと和解した
- トランプとプーチンの和解を阻止した
ことなどが挙げられるでしょう。しかし、劉さんについて、グレイシーさんは、
そのなかにあって、劉暁波氏は例外的な、中国にとっての敗北だった。
としています。なぜ?