そして、ブランドを構築を行うことが「ブランディング」であると解説していますが、「ブランディング」は、2つの側面から行う必要があるとも、この本で解説しています。
その2つの側面とは、「外向き」と「内向き」が必要で、「外向き」とは消費者や顧客、取引先、地域に対してブランディングで、これを「エクスターナルブランディング」といい、「内向き」とは社内でブランドの価値観を共有し、社員の意識や行動をブランドの方向性と合わせていこうとする取り組みのことをいい、これを「インターナルブランディング」というそうです。
つまり、通常、ブランディングというのは、「外向け」、顧客・消費者に対して行うものだけと思いがちですが、「内」、つまり、すべてのスタッフが、自店がどういう思いで店を経営しているか、どういう価値を提供しているのか、商品や接客はどういう思い、方向性から行っているのかを理解し行動していなければ、ブランド価値を低下させることにつながるのです。
ブランドは「信頼」という意味合いもあり、お客様の「信頼」を裏切るような運営をすると、店のブランド価値が低下し、お客様から「選ばれなくなる」ということでしょう。
これは、例えば、「価格ではなく価値を売ろう!」という方向で店を経営しているのに、現場がそれを意識することなく、「安売り」を行ってしまったり、他には、「大人のお店」として顧客に認知してもらおうとしているのに、店に行くと音楽がAKBのようなポップスを流していたり(本来は大人の人がゆったりと時間が過ごせるようにジャズを流すはずだったのに…)、照明も明るくて、また、接客も落ち着いた感じで行いたいのに、やたら大声で元気よく接客を行っていると、お客様の期待を裏切る、つまり、ブランド価値を低下させることにつながるということです。