なぜ中国資本が進出したアジアで、「反中感情」が高まっているのか

 

各国へのインフラ投資や企業の海外進出など、世界にその存在感を見せつけている中国ですが、トラブルも絶えないようです。メルマガ『黄文雄の「日本人に教えたい本当の歴史、中国・韓国の真実」』では、著者で台湾出身の評論家・黄さんが先日ラオスで起きた中国人襲撃事件を取り上げ、なぜ中国の行く先々で反中感情が高まりを見せるのか、歴史を引きながら解説しています。

【中国】アジアの親日国はなぜ必ず中国を憎むのか

ラオスで中国人襲撃事件 高まる反中感情

ここ数年、世界を舞台にした習近平のバラマキ外交インチキなインフラの押し売り合戦が繰り広げられ、各国の反発が高まっていました。そのことについては、本メルマガでも紹介してきました。

中国による「インフラ投資」のインチキに気づいた各国から非難の声

そしていま、中国人に対する感情が非常に悪化しているのがラオスです。中国資本の乱開発や地元民の強制労働により、反発が高まっているのです。冒頭の記事では2015年以降、中国人を狙ったと思われる襲撃事件が続発していることを論じています。記事の一部を引用します。

2015年2月にはラオス北部の中国資本が入ったバナナ農園で有害物質が入った農薬を使用していたことが原因で労働者の農民に深刻な健康被害がでたほか、土壌汚染も進んでいることが明らかになった。さらにこの農園ではライフル銃などで武装した中国人がラオス人農民を安価な賃金で強制的に働かせていたことも判明、ラオス政府が事態調査に乗り出し農薬禁止を決めた。ラオスの法律では外国人は武器を所持できないことになっており、労働者の人権侵害も問題化した。

また、ダム建設や高速鉄道建設などのインフラ建設で、中国本土から大量の労働者が送り込まれ、付近にできる中国料理店など全てが中国人で、地元の雇用創出や経済波及効果にはほとんど繋がっていないというのも、中国のいつものやり方です。

今年の6月には、ラオスのサイソンブン県で中国人が襲撃されて1人が死亡しています。

【ラオス】強引な中国の環境破壊から恨みが爆発、新たな中国人襲撃計画で注意喚起

ラオスの最大の経済支援国は日本です。そのためラオスは台湾とならんで、伝統的な親日国でもあります。ラオスの親日については、外務省のホームページにもわざわざ書かれています。

ラオスという国「日ラオス外交関係樹立60周年」

しかし、近年は中国が金銭外交を重ねてきており、存在感が高まっていました。それでも、やはりやり方は中国流で、地元民から嫌われる結果にしかなっていません。いくらカネを積んでも、日本のやり方とは異なるのです。

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