借金8億からの大逆転。なぜ男は「世界一の庭師」になれたのか

 

ガーデニングの本場・英国で、100年以上の歴史をもつ最も権威のあるフラワーコンテスト「チェルシー・フラワー・ショー」。そのコンテストで2006年から3年連続で金メダル受賞、2012年からも別部門で6年連続金メダルを受賞するという偉業を達成した日本人がいます。彼の名は、石原和幸さん。今回の無料メルマガ『Japan on the Globe-国際派日本人養成講座』では、数々の困難にも屈さず「花と緑でお客様を喜ばせること」に心血を注いだ石原さんのエピソードが紹介されています。

世界一の庭師の使命~石原和幸

その庭園を見た観衆の一人は、涙を流しながら言った。「どうしてこんな発想ができるの、あなたは」。2008(平成20)年、英国で開かれた世界最大の庭の花のコンテスト、チェルシー・フラワー・ショーでのことである。

エリザベス女王が総裁を務める英国王立園芸協会(会員数約37万人)の主催で、ここで優勝すると、世界の王室、貴族、富豪から「庭園をつくってほしい」と声がかかり、ガーデン関連企業から「うちと契約しないか」という申し込みが殺到する。

その第一次の書類審査の段階で、審査員は「デザインを見た瞬間今年のゴールドは決まった」と、会場内の場所決めでは人がたくさん並べる場所を与えてくれた。

2004(平成16)年の初挑戦で銀メダルをとり、翌年以降、3年連続で金メダルという偉業が達成された大会だった。ガーデニングの本場、英国でも誰もやったことのない大記録を一人の日本人がやってのけたのである。

その人、石原和幸さんは、決して恵まれた道を歩んできたわけではない。23歳の時に路上の花屋でアルバイトを始めたのが、この道に入ったきっかけだった。この大会に初挑戦した時は、事業に失敗して8億円もの負債を返済しながら、なんとか2,500万円の出展費用を工面した。だから石原さんは言う。

金がなくったって、アルバイトだって、人生の折り返し地点を過ぎた年になっていたって、借金を背負ってマイナスの状況にいたって、「これが!」と決めて必死になれば、必ず道は開けます。
(『世界一の庭師の仕事術 ~路上花屋から世界ナンバーワンへ』石原和幸 著/WAVE出版)

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